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2005年5月25日 (水)

tairu
これは吉川英治の書斎の様子を復元している離れの建物のテラス部分に敷かれているタイルです。

この種類のものを「本業タイル」、より専門的には「本業敷瓦」と言います。

「本業」とは面白い表現ですが、これは産地である瀬戸における焼物の歴史に関係があります。

瀬戸は元々陶器の産地でしたが、19世紀初頭から磁器の生産も盛んになり始めます。
その際、新しく作り始めた磁器を「新製焼」と呼び、それに対して元から作られていた陶器を「本業焼」と呼んで区別するようになりました。

つまり、「本業タイル」とは、19世紀以降に作られた陶器質の敷瓦のことなのです。

「本業タイル」は明治20年代に生産のピークを迎えますが、ちょうどその頃、この吉川英治が書斎にした離れの建物が建設されたと言われています。

昭和の初期には生産が中止され、その後建て替えなどで数を減らしたため、現役の建物に使用されている例は、もうそれほど多くはありません。

この書斎の「本業タイル」は、INAX BOOKLETの『日本のタイル』(1983 INAX出版)にも紹介されている、その世界(どの世界?)では有名なものです。
常滑にある世界のタイル博物館の図録『世界のタイル 日本のタイル』(2000年 INAX出版)にも、写真が掲載されています。

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