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2005年5月24日 (火)

いま庭の手入れに入っている植木屋の棟梁は、先週、今週と二週続けて友人の結婚式に出るそうです。
ご祝儀が大変ですね。

結婚式と言えば、先日、長野県の某町役場の職員の方からこんな問い合わせがありました。

町長が結婚式で聞いた吉川英治の言葉の意味を知りたいと言っているので教えて欲しい、と。

結婚式で聞いたと言うなら

「菊作り咲き揃う日は蔭の人」

「菊根分けあとは自分の土で咲け」

の二句のうちのどちらかでしょう。

「菊作り」の句は、吉川英治の小説「新・平家物語」を大阪のひらかたパークで菊人形にした際に詠まれたもの。

吉川英治が菊人形を見学していると、そのそばにじっとたたずむ老人がいる。そこで係員に、あれはどういう人なのか尋ねると、菊人形にしたてるための菊を栽培した人だとの答え。それを聞いて詠んだのがこの句です。
したがって、本来は結婚の句ではないのですが、「丹精こめて育てた菊が、菊人形として脚光を浴びている時、その菊を育てた本人は、脇役となって見守るだけである」という情景が、子供が結婚する時の親の姿に重なるものがあるということで、結婚式のスピーチにしばしば引用されるようになったものです。

一方、「菊根分け」の句は、吉川英治が、友人の娘が結婚する際に贈ったもの。

これは言葉通り「生まれ育った家を離れて、今度は自分で新しい家庭を築いていきなさい」ということを菊に例えたものです。

と回答したら、「町長に説明しなければならないので、それを文書にしてFAXで送ってもらえないか」だって。

もちろん、それは一向に構わないのですが、だったら町長が直に電話してくれれば、それで済んだのにね。

これから六月にかけては結婚式が増えるでしょう。
どこかでこれらの句を耳にする機会があるかもしれませんよ。

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