« | トップページ | 前進座と「新・平家物語」 »

2005年6月 8日 (水)

我以外皆我師

先日テレビを見ていたら、タレントのふかわりょうが、座右の銘は「我以外皆我師」だと話していました。
その時、私は画面を見ていなかったのですが、その言葉を聞いて目をやると、その言葉を説明するテロップが出ていました。
一瞬で消えてしまったので正確ではありませんが、「元々宮本武蔵の言葉で、それを小説に書いた吉川英治が好んで使った言葉」というような説明がなされていました。

これは少々間違っています。

宮本武蔵は、確かに「五輪書」の地の巻で

道におゐて儒者仏者数奇者しつけしや乱舞者これらの事は武士のみちにてはなし 其の道にあらざるといふとも道を広く知れば物毎に出あふ事也 (儒学・仏教・礼法・舞踊などは武士の道ではないが、広くこれらの物事にも接すれば、気づくことも多い)

であるとか

わが兵法をまなばんとおもふ人は道をおこなふ法あり (中略) 第三に諸芸にさはる所 第四に諸職の道を知る事(後略)

と書いてはいます。

しかし、一方では

兵法の利にまかせて諸芸諸能の道となせば万事において我に師匠なし

という有名な言葉もあります。
まあ、これは、あえて裏返しにとれば、特定の師は持たずともあらゆる事から学び得る、という意識のあり方だと言えなくもないでしょう。

しかし、「我以外皆我師」という成句は、宮本武蔵の言葉の中には見当たりません。

この言葉は吉川英治自身の案出した言葉だと考えています。

「考えています」と留保しているのは、本人が自分が考えついたとははっきり書き残していないことと、何か原典がある可能性を否定しきれないからですが、まず間違いないでしょう。

しかし、意外なところでこの言葉に出会って、ちょっと驚いてしまいました。

|

« | トップページ | 前進座と「新・平家物語」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/104645/4451352

この記事へのトラックバック一覧です: 我以外皆我師:

« | トップページ | 前進座と「新・平家物語」 »