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2005年6月27日 (月)

手紙

吉川英治記念館では様々な資料を展示していますので、昨日の例のように、「展示品の中に自分の身内の名がある」と、お客様から声をかけられることは、たまにあります。

以前、そのことで少々バツの悪い思いをしたことがあります。

品のある女性の方が、展示を見た後で窓口にやってきて、

「あれは父の手紙ではありません」

とおっしゃるのです。

展示作業をしたのは私ですから、何が展示してあるかは分かっています。
いま展示してあるもので、そういう疑いのあるものと言えば、まさか……

「私、三笠宮の娘です」

やっぱり!

その時、昭和30年10月11日付で三笠宮から吉川英治に宛てた書簡を展示していたのです。

三笠宮と吉川英治は、軽井沢の別荘が近所で、よく行き来がありました。
そうした交友関係から、吉川英治が三笠宮にリンゴを贈り、それに対して礼状が届きました。

展示していたのはそれです。

この礼状、署名が無く、名前はスタンプになっています。
そのことから、本人が書いたものではないと考えてはいたのですが、二人の間に交流があったことを示したくて、単に≪吉川英治宛三笠宮書簡≫とだけ書いて、展示していたのです。

口調は穏やかでしたが、「あんなものを三笠宮の手紙として展示されては困る」という空気が出ていました。

もちろん、その日中に展示を差し替えたのは言うまでもありません。

しかし、普通の団体(と言っても同窓会でしたが)の中に、そのような方が混じってらっしゃるとは想像もしていませんでしたから、大変に驚きました。


本日は休館日です。

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