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2005年6月 9日 (木)

前進座と「新・平家物語」

「新・平家物語」の舞台化作品では、昭和36年の前進座のものが代表作と言えるでしょう。

この作品は、吉川英治が自ら台本を書いたことで知られています。
しかし、その初演に到るまでは決して平坦な道ではありませんでした。

1月21日、前進座の宮川雅青が「新・平家物語」の上演許可を得るために吉川邸に来訪。吉川英治は、これに快く許可を与えます。
2月25日には主役の平清盛を演じる河原崎長十郎が吉川邸に挨拶にやってきます。
その後数回の打ち合わせの後、4月8日に前進座で共同執筆した上演台本の第一稿が、さらに4月14日には第二稿が届きます。

この時、吉川英治は「私本太平記」連載中で、その執筆に力を注いでいたため、台本の十分な吟味ができない状況でした。
そのため、5月16日からの大阪毎日ホールでの公演(~20日)は、前進座執筆の台本により上演されました。

続いて、6月10日からは東京読売ホールでの1ヶ月公演(~7月9日)となります。
その直前になってようやく台本にじっくり目を通した吉川英治は、その内容に満足できず、この台本では上演を許可できない、と言い始めます。
とは言え、既に公演の準備は進んでいます。
議論の末、吉川英治は、ついに自ら台本を書くことを決意します。
それが6月7日。
結局、吉川英治はこの日と翌8日を続けて徹夜して台本を書き上げます。さらに9日には、朝9時から夜11時まで舞台稽古に立ち会ったのでした。

そして初日の10日。稽古時間わずか1日、しかも急に変更された台本に基づく舞台でありながら、前進座はこの公演を見事に成功させました。

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