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2005年7月23日 (土)

賞金

実は、この時、大連から懸賞に応募したのは「馬に狐を乗せ物語」だけではありませんでした。
他に「でこぼこ花瓶」「縄帯平八」の2作品も応募していました。

「馬に狐を乗せ物語」は滑稽小説部門の一等でしたが、「でこぼこ花瓶」は童話部門の一等、「縄帯平八」は時代小説部門の三等に入選しました。
さすが、後に人気作家となるだけに、非凡さを感じさせる結果です。
ただ、歴史・時代小説家として知られる吉川英治が、その時代小説部門は三等で、滑稽小説と童話で一等になるというのは、少々意外な感じです。

さて、吉川英治が大連からこれらの作品を応募したすぐ後、母親が危篤状態になったとの知らせが東京の実家から届きます。
身辺を整理して何とか金を作った英治は、大急ぎで帰国します。
母親はどうにか持ち直して、英治の帰国後、数ヶ月生きながらえ、大正10年6月29日に息を引き取ります。

その直後、懸賞小説の結果が発表され、上記の成績を残した吉川英治は、合計およそ700円の賞金を得ました。

当時は、貧しい暮らしをしていた吉川英治は、母親の葬儀費用にも事欠いていたのですが、そこにこの賞金が入ってきたため、無事諸々の支払を済ませることが出来たそうです。

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