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2005年7月21日 (木)

馬と狐

吉川英治がその実体験を色濃く反映させた作品として「かんかん虫は唄う」は重要な作品です。

これ以外にも、実体験を反映させた作品として「馬に狐を乗せ物語」という作品があります。
「かんかん虫は唄う」が10代の頃の横浜での体験に基づく作品であるのに対し、こちらは20代の頃の体験を描いたものです。

「馬に狐を乗せ物語」とは妙なタイトルですが、これは「狐を馬に乗せる」ということわざから採ったものでしょう。
「狐を馬に乗せる」とは、落ち着かない、定まらない、安定しない、そういう状態を表す言葉です。
その言葉の通り、ある川柳結社の仲間たちが巻き起こすドタバタ騒ぎを、軽妙な筆で描いた喜劇です。

以前にも書いたように、吉川英治は20代の頃、川柳家・雉子郎として活躍していました。
この作品を読むと、その当時の雰囲気が、そして吉川英治の青春の息づかいがよく伝わってきます。
後年の大作家としての顔ではない、別の顔が見られて、微笑ましい気分になること請け合いです。

現在は吉川英治記念館のみで販売している特製文庫「江ノ島物語」の中に収録されています。

ちなみに、「かんかん虫は唄う」は現在講談社から発行されている吉川英治歴史時代文庫の第8巻となっています。

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