吉野公民館
「吉野公民館についての資料がそちらにないか?」という問い合わせがありました。
一瞬妙な問い合わせに聞こえるかもしれませんが、そうではありません。
吉川英治記念館のある地域は、現在は青梅市ですが、以前は吉野村という独立した村でした。
その吉野村に、昭和24年、公民館が開館しました。
東京都内でも最初期にあたる公民館でした。
吉川英治は、その設立に大きく関わっているのです。
初め、吉川英治は、日頃世話になっている村のために、子供たちのための図書館を寄贈することを考えます。
しかし、村の現状を見てみると、子供たち以上に、若者たちの集まれる場所が無い。
時は終戦直後で、復員兵などが村にも戻って来ていたけれども、よりどころとなる場所がない。
だったら、それを造ろうということで、村に働きかけて、公民館が設置されたのです。
これは、住民からの寄付によって建設されました。
金銭的にもっとも多くを負担したのは、もちろん吉川英治でした。
聞くところでは、寄付金の8割以上は吉川英治から出ていたと言います。
落成後は、吉川英治が声をかけて、徳川夢声などのタレントを呼んで、演芸会が開かれたりしました。
この公民館は、後に隣接する青梅市立第五小学校の講堂に転用され、さらにその後、老朽化のため、いつの間にか取り壊されてしまいました。
長年にわたって住民に親しまれながら、取り壊し後は何の痕跡も残されませんでしたが、近年になって、第五小学校に記念碑がつくられました。
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