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2005年8月 8日 (月)

今年、吉川英治記念館周辺では蝉が非常に多く見られます。
おかげで、一日に一度は蝉におしっこを引っ掛けられています。
そんなわけで、吉川英治が詠んだ蝉の登場する句をいくつか紹介してみます。

蝉啼くや骨にしみ入る灸のつぼ

「蝉の音の骨まで涼し灸のつぼ」という類句もありますが、芭蕉の「静けさや岩にしみ入る蝉の声」を思い浮かべてしまう句です。
暑い夏のさなかに、これまた熱いお灸をすえている状況を詠んだものでしょう。
「骨」の一語が、いかにも効いている感じを出しています。

蝉啼くやたたかひ日々に非なるかな

吉川英治は昭和19年3月に、青梅(当時は吉野村)に疎開してきますが、その夏に詠んだもののようです。
そして終戦を迎えた後には

ともかくも一村無事の蝉の声

という句を詠んでいます。

初蝉や升田九段の耳の外

「升田九段」とは、棋士の升田幸三のこと。
吉川英治は、この破天荒な棋士を「タケゾウ」と呼んで、愛していました。
周りの音など聞こえないほど勝負に集中している升田の姿が目に浮かぶ句です。

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