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2005年9月 2日 (金)

宮島

取材旅行(1)の最後の宿泊地は広島の宮島です。
そこの旅館岩惣に宿泊しています。

展示では触れていませんが、「随筆 新平家」の中の「新・平家今昔紀行」の『宮島の巻』でちょっと面白い告白をしています。

実は吉川英治は、この岩惣には、昭和13年1月にも宿泊しています。
そのことを、女中頭のお徳さんが記憶していた、という話を書いた後に、こう続けます。

これは、ぼくには、旧悪では絶対にないが、たいへん、まのわるい紅葉谷なのである。(略)じつは、この離れに滞留一週間ほどの間に、長男のHの生まれる素因が生じたわけだった。

つまり、この時の旅行には、夫人を伴っていたのですが、そこで……という話です。
吉川英治は、小説の中ではともかく、随筆ではそれほど色っぽい話は書かない人ですが、これは珍しい。

ちなみに≪長男H≫とは、現在吉川英治記念館館長である吉川英明のこと。昭和13年10月生まれですから、確かに、大体そのあたりのような感じですね。

なお、この昭和13年1月の滞在時に持っていた画帖が、資料として当館に保管されています。
そして、岩惣宿泊中に描いた≪蜜柑の図≫を、現在、一筆箋とクリアファイルの図案に取り入れ、ミュージアムショップで販売しています。

上の話を頭において見直すと、なんだかちょっと蜜柑が艶っぽく見えてくるのは、気のせいでしょうか。

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