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2005年10月27日 (木)

将棋

吉川英治の将棋の“腕前”は文壇ではよく知られていたようで、菊池寛からは「下手将棋」呼ばわりされたらしく、それに反論して『下手将棋の弁』なる随筆も書いています。

いわく、強いばかりが棋客ではない、盤の音や駒の感触、棋面に出てくる人の性格を見るのが面白いのだ……

また、下手将棋の強みには、相手が広い。下は二十三級どころから八段まで誰とでも打てる。(略)そこへゆくと、初段どころや二段という菊池あたりが上手(うわて)とさしても、下手(したて)とさしても、いちばん面白くない将棋ではないかと思う。
(「草思堂随筆」所収『下手将棋の弁』)

しかし、どう読んでも負け惜しみ以上のものではないですよね。

後年、吉川英治は棋士の升田幸三と親交を持ちますが、その升田が英治の長男・英明にこう言ったそうです。

あんたのお父さんのは、ええ将棋じゃった。勝負にこだわらん将棋じゃった。

いや、物は言いようですね。

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