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2005年10月26日 (水)

直木三十五

昨日、青梅市内で「直木三十五伝」(文藝春秋 2005年6月30日)の著者・植村鞆音さんの講演会があり、出席してきました。
植村さんは直木三十五(本名は植村宗一)の甥にあたる方です。

吉川英治と直木三十五は親交はありましたが、特別に親しかったというわけでもありません。
菊池寛を間にはさんでの交友といった感じだったのではないでしょうか。
そんなわけで、講演の中には吉川英治の話などは出てきませんでしたが、上記の著書の中には直木三十五が吉川英治について書いた文章も引用されています。

その中のひとつが『文壇棋術行脚』。
これは、直木三十五が作家連中のもとに押しかけて、強引に囲碁あるいは将棋で対戦するというルポ。
広津和郎から始まって当時の名のある作家連中を次々と襲っていくのですが、テンポの良い文章で、誰でも彼でも忌憚なく切り捨てていくので、非常に面白い。

吉川英治もその犠牲になっているのですが、将棋を三番指して直木の三勝。

「負けたら君、吉川は徹夜してゐた夜でと書いてくれ」などという言い訳まで暴露され、さらに、英治が直木に囲碁を教えろと言った言葉を捉えて、「将棋で一枚ちがふ上に、僕を碁の師匠にする人もあるから――いや文壇も広い、下には下――」とまで酷評されています。

吉川英治の苦笑が目に浮かぶようです。

いや、私は吉川英治の死後に産まれていますから、吉川英治が苦笑した顔というものを見たことはないのですが。

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