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2005年11月18日 (金)

行幸あれこれ(2)

両陛下をお迎えするわけですから、ご休憩の際に使用するテーブル・椅子はもちろん、部屋の調度なども新調しなければならないかな、と考えたのですが、宮内庁からは、そういうことは一切必要ないと言われました。

そのご休憩は、私などは吉川英治が暮らした母屋内の応接間でと考えたのですが、両陛下は行幸啓中には靴はお脱ぎにならないとのことで、和室は使えないことになりました。
そのため、普段は(というか今でも)特別展に使用している多目的室にテーブルを持ちこんで、そこでご休憩いただくことになりました。
実に殺風景な部屋なのですが、それで一向に構わないとのお達しでした。

いずれも少し意外に感じ、驚いたのですが、こうしたことは今上天皇のご意志なのだろうと拝察しました。

さすがに、と思ったのは、エレベーターについての一件。

エレベーターに乗り込む時は、警護担当者が中を確認した後、扉を開けたまま中が見えるようにおき、まず両陛下がお乗り込みになって後、警護担当者が乗り込みます。
つまり、降りる際、扉が開いた時に警護の者が、陛下の前にいて、お守りする形ですね。

さて、当館のエレベーターには、一応『開延長』のボタンがあるのですが、開いたままにしておくと、数分後に≪ピー≫という警告音が鳴り始めます。
これはとてもよろしくない。

『開延長』のボタンを押してから何分後に音が鳴るか調べて、その時間内に陛下にお乗り込みいただくように促すというのでは、陛下にお急ぎになるよう強要することになりますから、そのようなわけにはいきません。

音が鳴り出す前に時々延長を解除すれば、音は鳴らずに済むのですが、問題は誰がそれをするかです。
陛下がお乗り込みになるまでは、誰もそこに先に乗り込むわけにはいきません。
しかし、陛下ご自身が機械をご操作になるなどということは、あり得ないことなのだというのです。

結局、『開延長』ボタンは使用せず、陛下に続いて警護担当者が乗り込むまで、誰かがエレベーターの扉を閉じないように押さえている、ということになりました。

その役をやったのは私でした。
おかげで、両陛下と15cmほどの距離まで接近することになりました。
役得と言えば、役得ですね。

ただ、ご休憩中にお茶をお運びした当館の女子職員には、「お茶をありがとう」と陛下からお声をお掛けくださったのですが、私にはそうしたことがなかったのが、とても残念でなりませんでした。

短髪で太目のため、機動隊員と間違えられたこともある私ですから、記念館の職員ではなく、地元の警察官とでもお思いになられたのかもしれませんね。

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