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2006年2月14日 (火)

ランキング

昨日触れた「史上最高の小説ベスト100」には、日本人の作品では川端康成の「山の音」と紫式部の「源氏物語」の2作品が入っています。

これはまだ良い方で、欧米で企画されたこうしたランキングに日本人の作品が入っていることは、滅多にありません。

アメリカの出版社が行った「20世紀の小説ランキング・ベスト100」、イギリスのBBCが行った「世界最高の小説ベスト100」にも日本人の作品は見えません。

吉川英治は、フランス人作家モーリス・デコブラが来日した際に、吉川英治宅を訪問した際のことを随筆に書き、こう書いています。

デコブラ氏ぐらいな作品を書く人間は、日本には若い人の中にも幾人もいると思う。川口松太郎君あたりと並べて見たって、ひいき眼なしに、川口君の方がよっぽど増しだ。もし、直木三十五を仏蘭西に生れさせたら、デコブラを給仕につかうぐらいな金持になっているだろう。
それが、日本の文壇に生れたばかりに、ボロ自動車一台持ちかねたり、所得税未納者としていじめつけられたりしている。(略)
産業や軍備ばかりでなく、現状では、日本の文壇は、外国作家のそれと比べても、少しも質が劣っているとは僕には思われない。純文学の若い作家などには、そういう信念があるだろうか。(略)

なにも、欧米人に評価されることがいいことだとは思いません。
しかし、欧米人によるランキングを見て、「これが入っているんなら、日本の○○の方が、ずっと良い作品だ」という思いにかられる人は多いのではないでしょうか。

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