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2006年3月31日 (金)

挿絵画家

昨日、山口将吉郎を取り上げたので、ちょっと挿絵画家について調べ直してみたところ、意外なことが分かりました。

当館でまとめた資料「吉川英治小説作品目録」などで確認したところ、吉川英治の小説作品(自叙伝など含む)に挿絵を描いたことのある画家は総勢80人に及びます(途中降板やピンチヒッター的起用も含めて)。

そのうち、手がけた作品数が5作品以上、もしくは作品に関わった期間が10年以上の画家を挙げると、以下の通りになります。

新井勝利≪11年3作品≫
井川洗涯≪1年6作品≫
石井鶴三≪16年5作品≫
伊藤彦造(伊藤新樹)≪13年3作品≫
岩田専太郎≪23年11作品≫
大橋月皎≪2年5作品≫
小田富弥≪10年4作品≫
鴨下晁湖≪6年5作品≫
木村荘八≪27年2作品≫
小村雪岱≪12年30作品≫
斎藤五百枝≪13年12作品≫
志村立美≪8年6作品≫
杉本健吉≪12年4作品≫
谷脇素文≪3年8作品≫
寺本琴風≪2年9作品≫
富永謙太郎≪6年6作品≫
山口将吉郎≪16年18作品≫

なんと、断トツで作品数が多いのが、小村雪岱なのです。
意外です。
作品数が多いのは短編を多く手がけているからですが、「江戸城心中」などの長編も手がけていますし、関わった期間も12年と長いことを考えると、吉川作品を代表する挿絵画家と言っても良いはずですが、なんとなく、そのイメージがありません。

作品数で後に続くのが山口将吉郎、斎藤五百枝、岩田専太郎で、10作品を越えるのは、小村雪岱を含めた4人だけ。
それぞれ「神州天馬侠」、「龍虎八天狗」、「鳴門秘帖」が代表作で、これはイメージ通りという感じ。

15年以上関わったのは木村荘八、岩田専太郎、山口将吉郎、石井鶴三の4人。
10作品以上の4人と重複する岩田専太郎、山口将吉郎が、吉川英治のパートナーとして双璧ということになるでしょうか。

杉本健吉の場合、作品は少ないですが、一つの作品が長期間に及んでいるので、吉川作品を代表する挿絵画家というイメージはかえって小村雪岱より強い。

現時点で、最もよく読まれている吉川作品というと「三国志」と「宮本武蔵」になりますが、そのどちらの挿絵も描いている矢野橋村は、上記の基準で選んだら、漏れてしまいました。
ピンポイントで代表的作品だけを受け持ったということなのでしょうね。

(なお、ここで言う関わった期間というのは、最初に手がけた作品の連載開始から最後に手がけた作品の連載終了までの期間のことです。)

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