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2006年5月26日 (金)

くせ

こんなつまらぬブログでも、毎日書くとなると、何を書いたらいいか悩みます。
ネタが無いわけではありません。
吉川英治は“巨人”ですから、探せばネタなどいくらでも見つかります。
ただ、文章の取っ掛かりがつかめないのです。

そう言えば、吉川英治に書き出しがつかないときのことを書いた随筆があったような、と思い、探してみました。

「くせ」という随筆にこんなことを書いています。

原稿を書く場合には、ずいぶん癖らしいものが発作する。机の埃を吹くのは、前にいったが、少し苦吟してくると、あらぬ方へ、眼をすえる。馴れない女中は、恐いそうである。そんな時やむを得ない用事などを訊いてくると、とんちんかんな返辞をするらしい。
(略)
書けなくなると、ペンを紙の上へ持って行ったり、頬杖にしてみたり、同じ挙動を繰り返す。そして左の手は、指を櫛の歯みたいにして、髪を掻く。
なおなお、書けなくなると、今度は、机の上にあるマッチや煙草の箱に、ポチポチと、無意味な星みたいなものを書きならべるのだ。ポチポチと考えのつくまで、無数の点を書きつめるのである。

その星を見て、家人は、昨夜も書けなかったらしいと囁きあうのだとか。

もっとも、吉川英治の原稿を書くスピードは速く、書き出しさえつけば、一晩に40~50枚くらい書くことはざらだったようです。

さすがですね。

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