« バスガイド | トップページ | 菊花展終了 »

2006年11月11日 (土)

見学マナー

私の事務室は、多目的展示室の隣にあります。
その多目的展示室では、現在アートプログラム青梅2006の一環として、様々なアート作品が展示されています。

さて、さっき、事務室で仕事をしていると、隣の多目的展示室から「ギシッ」という木のきしむ音が聞こえてきました。
「さては」と思い、事務室から出て多目的展示室を見てみると、二人の男性がいました。

実は、今回の出品作品の中に「スギノイス・キリノイス」(石井健)という2脚の椅子があるのですが、展示作業中から、誰かがこれに座るんじゃないかと心配していたのです。

その二人の男性は、そ知らぬ顔で会場を後にしましたが、椅子を展示するための黒い布を張った台にしっかり足形が残っていました。
やっぱり、あの木のきしむ音は椅子に座った時の音だったのです。

現場を押えることが出来なかったので、何も言わずにその二人を見送らざるを得ませんでした。

一昨年のアートプログラム青梅2004の際に行った山口啓介さんの『青梅の本棚』という作品展の時も、本物の本を蜜蝋と樹脂で固めて製作した作品を、多くの来館者が平然と持ち上げたり触ったりするので、閉口しました。

人間には好奇心がありますから、不思議なものがあれば触ってみたくなるし、椅子があれば座ってみたくもなるでしょう。
ここが商店なら、それでもいい。
商店に置いてあるものは商品であり、椅子はもちろん座るための椅子ですから。

でも、ここは博物館で、置いてあるものは展示品であり、作品です。
好奇心に負けて、ちょっと指でつついてみるぐらいのことは咎めだてしませんが、持ち上げたり座ったりというのは、行き過ぎです。
そこを思いとどまるのがモラルでありマナーというものでしょう。
いい大人なんですから。

こういうことを言うと、「客商売のクセに客にケチをつけるのか」とか、「だったらケースに入れておけ」とか、そういう反論が出てきたりするのですが、少し考えてみてください。

監視カメラや警報装置に囲まれて、床には「この線から出るな」「ここを歩け」と指示が表示され、壁には「手を触れるな」「近づくな」と張り紙がベタベタ貼られていて、それにちょっとでも違反しようものなら警備員がすっ飛んできて注意され、それを二、三度繰り返すと強制的に摘み出される。

そんな、あたかも客を敵視するような状況が愉快でしょうか。

お客様に気分よく楽しんでいただくためには、最低限守っていただかないといけないことというものもあるのです。

そこをご理解いただきたいと思います。

|

« バスガイド | トップページ | 菊花展終了 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« バスガイド | トップページ | 菊花展終了 »