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2006年12月22日 (金)

海外渡航

吉川英治は、この大連行きを含めて、5度、海外(租借地・植民地も海外とみなす)に渡航しています。

(1)大正9年秋~10年初め=大連
(2)昭和12年8月2日~24日=天津・北平(北京)ほか
(3)昭和13年9月14日~10月13日=上海・南京・武漢ほか
(4)昭和15年12月13日~21日=台湾
(5)昭和17年8月8日~29日=台湾・フィリピン・インドネシア・シンガポール・タイ・ベトナムほか

初めの大連を除けば、いずれも戦時色の強いものです。
つまり、(2)は東京日日新聞(現毎日新聞)の特派員として北支事変後の情勢を視察に行ったものであり、(3)はいわゆる「ペンの部隊」で海軍の揚子江溯江作戦に従軍したもの、(4)は「文藝銃後運動」の講演会、(5)は朝日新聞の特派員として対米英開戦から8ヵ月後の南方情勢の視察に行ったもの、なのです。

貧困に苦しみ、小学校も卒業していない吉川英治に、若い時期の海外への留学や観光といったものがないのは当然でしょう。
しかし、作家になった後にも自発的な海外渡航経験がないというのは、いかに歴史・時代小説を中心に書いているとしても、少し惜しい気がします。

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