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2007年2月 8日 (木)

文学館とは-その3

博物館(人文系の)と比較してみても、やはり文学館は特異な存在になります。

変な例ですが、こんなことを考えてみてください。

ある所に、正月に雑煮ではなく汁粉を食べる習慣のある家が一軒あるとします。

もし、この一家が、その地域の昔の習慣をただ一軒守って、今でも雑煮の代わりに汁粉を食べているのだとしたら、民俗資料館なんかの調査、記録の対象となるでしょう。

しかし、それが単に、その一家の主人がアンコが好きだから、という好みの問題なら、調査の対象とはならないでしょう。

人文系の博物館というのは、大まかに言えば、人間がなしてきた営みについて、調査、記録し、実物資料の展示によって、それを伝えようとする施設ですが、その場合の人間は、広くは「人類」全体、狭くても一定以上規模を持つ地域や集団という、広がりを持ったものとしての人間だからです。

ですが、その一家のアンコ好きの主人が作家だったとしたら、文学館の調査、記録の対象になります。

文学館も、人間を扱いますが、それは作家という特殊な個人のことだからです。

文学館は、美術館が美術を展示しているように文学を展示しているわけではなく、博物館が対象とはしない一個人というレベルの人間を扱っている、そういう施設であるということになります。

博物館業界の鬼っ子というわけです。

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