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2007年2月11日 (日)

梅梅梅

都知事の言葉に反応して愚にもつかないことを長々と書いてしまいましたが、その間に、草思堂庭園の花々が少しずつ開き始めました。
梅の花も、今年は満開の時期が早まりそうです。

と言っても、この一帯の梅は元々3月中旬から下旬が満開の時期ですから、早まっても3月にならないと見頃とはならないでしょう。

ところで、都知事の来た日の閉館後、一部展示替えをしました。
書画および書簡類を、年末年始仕様から、梅にあわせたものに入れ替えたのです。

梅のものばかりにならないように注意したつもりなのですが、気がついたら、14点も梅の句や詩歌を書いた書画を出してしまっていました。

ちょっと一部紹介してみましょう。

いじらしや国敗れても梅は咲く

敗戦の翌年、昭和21年の句です。
この句は軸装されています。
これと、軸のしつらえが同じものがあるのですが、そちらに書かれているのは

古画古陶展げて梅の香もよそに

双幅とみるには、句の雰囲気が随分違います。
こちらは、世事をよそに風雅な趣味に没頭しているかのような感じです。

ただ、この頃、吉川英治は、敗戦のその日から創作の筆を絶っていた、その最中であったわけで、そう考えると、一旦世間から身を離して思索に耽る姿にも見えてきます。

咲く日だけおもひ出されて町の梅
町中の梅咲く日だけ見られけり

同じことを詠んだ句です。
ともに色紙ですが、筆の運びや字の配置や雰囲気からは、同じ時に書いたもののような感触を受けます。
ちなみに前者には落款がなく、後者には落款があります。
本人の評価としては後者が優れているということでしょうか。

母あらばなどおもふ日の梅うらら
厳かに春待つ父や梅の花

両親と梅の詠み込まれた句です。
母親に対するものと父親に対するものでは、やはり感じが違いますね。

そうそう、明日は祝日なので開館いたします。
休館は13日になります。
ご注意ください。

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