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2007年2月 7日 (水)

文学館とは-その2

常々思っていることがあります。

美術作品というものは、基本的にオリジナル作品1点のみのものです。
したがって、それを鑑賞したいと思う者は、それを手に入れるか、それを手に入れた者を訪ねるかしない限り、作品を観ることが出来ません。

美術館は、自ら作品を所蔵したり、所蔵者から借り出したりして、それを展示し、人々に鑑賞の機会を与えています。

つまり、美術館は作品を展示・公開する場を提供することで、芸術家と鑑賞者を繋ぐという役割を美術というシステムの中に有している、ということになります。

一方、文学館は、そうではありません。

文学という芸術は、活字化されたものを通して読者に鑑賞されます。
雑誌、新聞、単行本、デジタル化されたデータ、いずれにせよ、「生原稿」という≪オリジナル≫ではなく、こうした複製されたものによって、享受されるものです。

したがって、文学というシステムの中で、美術館に相当するものは、そうした活字化されたものを作り出す出版社、販売する書店、貸し出す図書館、なのであって、文学館ではありません。

もちろん、それらの機能を文学館が持つことも出来ますが、こと展示に関して言えば、文学館は美術館とはまったく性格の異なるものである、ということになります。

美術館が壁に絵を飾れば、それは美術を展示していることになりますが、文学館が作家の生原稿をショーケースに並べたところで、それは文学を展示しているということにはならないのです。

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