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2007年2月 6日 (火)

文学館とは-その1

石原都知事が、館内の展示をご覧になりながら、こんなことをつぶやかれました。

文士の記念館っていうのは、結局こうなるんだよなぁ。

続けて、「結局読まないんだ」とおっしゃったので、「こうなる」というのは、ご自分の態度という部分で言われたのでしょう。
色々展示してあっても、結局のところ細部まで解説を読むということはしない、ということを。

ただ、それに応じて私が、「文学は本で読むもので、展示するものではありませんから」と答えると、「そう」と言ってうなずかれましたから、もう少し踏み込んだ意味もあるのでしょう。

つまり、文学館などというものは、どこに行っても同じようなものを同じように展示していて、自分は興味を引かれないし、存在自体あまり文学的に意味のあるものではない、というような意味が。

そう思ってしまうのは、東京都近代文学博物館の閉鎖という事実に、私が引っかかっているからかもしれません。

石原都知事が就任してすぐに着手した都政の見直しの中で、都立施設の統廃合が積極的に進められ、その結果、東京都近代文学博物館は閉鎖となりました(所蔵資料は江戸東京博物館に移管)。
仮にも作家(ご本人は文士という言い方にこだわりをお持ちのようですが)を名乗る者が文学館を廃止するのか、と当時話題になったものです。

上記のつぶやきと、この事実を重ね合わせると、石原都知事は文学館に価値を見出していないのではないか、という気になってしまうわけです。

ただ、それにも関わらず、突然、吉川英治記念館に来館されたのは、自身が吉川英治と面識があったからでしょう。
文学的な興味によってではなく、故人への想いによって、動かされたのだと思います。

そこにこそ文学館の価値はあるのかもしれません。

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