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2007年3月 8日 (木)

珍品

来館者の方が展示を見終わった後で、窓口まで来て質問されるということは、しばしばあります。
そういうことは、展示をじっくり見てくださった証しなので、嬉しく思います。

よく質問される事柄というのがいくつかあって、昨日も、そのうちの一つを聞かれました。

吉川英治が受章した文化勲章が展示してあるのですが、その背後に「勲記」を一緒に展示しています。
賞状ですね。

そこに書かれた名前が≪吉川英次≫になっているが、それでいいのか?という質問です。

名前については、このブログにも何度も書いていますが、≪吉川英治≫はペンネームで、≪吉川英次≫が本名です。
勲記にはペンネームではなく、本名の方が書かれているわけです。

さて、今回の質問者の方は、重ねてお尋ねになられました。

では、≪吉川英次≫名では作品は出版されていないのか?と。

一つあります。
これも以前に触れていますが、吉川英治は、作家専業となる前の、東京毎夕新聞社に勤務していた時に、会社の命令で「親鸞記」という小説を紙面で連載します。

この作品、連載時には無署名で掲載されていました。

しかし、単行本化された時、さすがに無署名とはいかず、≪吉川英次著≫と記載されたのでした。

Photo_1
ちなみに、これが証拠写真です。

大衆作家として、吉川英治の作品は飛ぶように売れましたから、単行本の発行部数も多く、吉川英治には稀覯本と言えるものが少ないのですが、この「親鸞記」は、数少ないものの一つです。

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