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2007年3月27日 (火)

ちょっと下ネタ

ちょっと調べごとがあって、図書館で雑誌「オール読物」の1950年代のものをしらみつぶしにしていたところ、面白い記事を見つけました。

昭和26年6月号に掲載された座談会『輝ける二百号(「オール」の歩み)』というものです。
座談会参加者は永井龍男・岩田専太郎・濱本浩・今日出海・徳川夢声・三角寛。
タイトルの通り、創刊200号を迎えた「オール読物」の思い出を語る座談会ですが、この中に吉川英治が登場します。

当時の若手作家が、「オール読物」の常連作家となるべく切磋琢磨しようという名目の下に≪燈下会≫という会を作ったところ、既に名を成していた吉川英治も平会員として参加してくれた。
その燈下会で、東京の五日市から青梅にかけて旅行をした。
その時、五日市で執筆していた三角寛から、ここでは鮎の手づかみが出来ると聞いたのがきっかけで、五日市に行って鮎とりをして、それから歩いて山越えして青梅に出ようというものだった。
さて、青梅への道の途中、峠の頂で休んでいる時、北林透馬が「強姦の実演」(モノマネということだろうか)をして見せたところ、吉川英治に“異変”が起こった。
それに気づいた一行が、吉川英治を冷やかして、今後、この峠を≪タツタ峠≫と命名しようじゃないかなどとからかった。

という話です。
発言者は濱本浩と三角寛。

実は、この旅の様子は、吉川英治が主宰した雑誌「衆文」の創刊号に掲載された平野零児の『鮎に遊ぶ』という文章でも紹介されており、それは読んでいたのですが、そこにはこんな話は書かれていませんでした。

ちなみに、『鮎に遊ぶ』には、参加者として吉川英治、濱本浩、三角寛、中野實、永井龍男、北林透馬、小島健三、平野零児の名が挙がっています。
座談会の席では、この話に口を挟んでいない永井龍男もその場にいたわけです。

同行者のうち二人が口にして、もう一人も異を挟まなかったところをみると、実際にあったことなのでしょう。

吉川英治というと、伝わる話が人格者めいたものばかりで、こういう下ネタはあまり残っていません。
でも、少しはこういう話がある方が、親しみがもてるというもの。

ということで、ご紹介してみました。

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