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2007年4月12日 (木)

平成19年度吉川賞贈呈式 その1

昨日は吉川英治賞の贈呈式でした(毎年4月11日と決まっています)。

受賞者は先日お伝えした通り

野間佐和子理事長の挨拶と各賞の贈呈の後、選考委員の代表による選評、受賞者の挨拶という流れは例年通りでした。

さて、今年の吉川英治文学賞受賞者は宮部みゆきさん。

昨年、吉川賞40周年のイベントにご出演いただいた時、時間を超過してお話しになった事が記憶にあり、スピーチも長いかな?と思いましたが、それほどのことはありませんでした(って失礼な)。

スピーチの内容自体とはあまり関係ありませんが、文学の世界を河にたとえられたのが、ちょっと印象に残りました。
というのも、吉川英治も文学を河にたとえたことがあったからです。

もっとも、その意味するところは異なっていて、宮部さんは、多くの文学者が作ってきた文学の歴史を河にたとえられたのだと思いますが、吉川英治が言わんとしたのは、純文学は源流の流れを生み出す大元の水であり、大衆文学はそれを取水して、人それぞれに届ける水道の水であって、一つの同じ河の流れなのだということだったのですが。

なお、昨年のイベントの好評を得て、今年から、その年の文学賞(または文学新人賞)受賞者に、吉川英治記念館の吉川邸母屋でお話をしていただくのを定例化することになりました。
今年は宮部さんに内諾をいただいておりますので、宮部さんを囲む会を開催することが予定されておりますが、まさか、昨年に引き続いて、ということになるとは思いませんでした。

昨年ご応募いただきながら定員オーバーで抽選にはずれた方、そういうことですので、正式告知を楽しみにしておいてください。

一方、文学新人賞は佐藤多佳子さん。

受賞作の「一瞬の風になれ」は高校生の陸上競技を描いたものですが、スピーチによると、本人はスポーツ観戦が好きで、執筆を放り出してまでそれに熱中してしまうほどだそうですが、競技経験はないのだそうです。
したがって、作品は4年間、ある高校陸上部を取材して書かれたものだそうです。

要項に掲載された選考委員の選評を見ると、登場人物の苦悩などが描かれないことへの引っ掛かりを述べておられる方もいらっしゃいます。
ただ、代表して会場で選評を述べた高橋克彦さんは、そこをむしろ評価なさっているようで、それを聞きながら佐藤さんが時々微笑んでおられたので、それこそが佐藤さんの意図だったのでしょう。
スピーチでも、そのようなことを述べておられました。

それにしても、昨年の今野敏さんも新人というには執筆暦の長い方でしたが、佐藤さんも1989年デビューと紹介されていますから、20年近い執筆暦があります。
なにより、宮部みゆきさんとは2歳しか違わないんですね。

女性の年齢に触れるのは失礼かもしれませんが、吉川文学賞と文学新人賞の受賞者の年齢がこんなに近いのは、ちょっと不思議な感じがしました。

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