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2007年4月15日 (日)

根岸競馬場

当館から資料を貸し出している馬の博物館ですが、昨日書いたように「根岸競馬記念公苑」という場所にあります。
ここは江戸時代末期の慶応年間からの歴史を持つ横浜競馬場、通称・根岸競馬場の跡地で、競馬場時代の古いスタンドが残っていることで有名です。

吉川英治は自叙伝「忘れ残りの記」に、こう書いています。

ぼくの生まれた当時の両親は、横浜の根岸に住んでいた。その頃はまだ横浜市ではなく、神奈川県久良岐郡中村根岸という田舎だった。家の前から競馬場の芝生が見えたということである。

そう、根岸競馬場は吉川英治の出生地のすぐそば、吉川英治ゆかりの地なのです。

「忘れ残りの記」には、その他にもこんな一節があります。

ぼくの父は馬は持たなかったが(略)根岸倶楽部にはよく出入りしていたらしい。ぼくも競馬はたびたび見せられ、家庭でも競馬の話に賑わった。まだ横浜競馬も初期だったせいか、一般にも競馬を汚れたものと見るふうはなかった。

後年、菊池寛の勧めもあって馬主となる吉川英治ですが、その萌芽は既にこの頃にあったと言えるでしょう。

これ以外にも、根岸競馬場への明治天皇の行幸の話や、当時のスターだった神崎騎手の話などを、「忘れ残りの記」や様々な随筆に書き残しています。

いい機会なので、会期中に展示を観に行きがてら、周辺のゆかりの地を歩いてみたいと思っています。

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