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2007年6月 9日 (土)

挿絵と時代風俗

企画展「秘蔵コレクション展――吉川英治じゃない吉川英治記念館」の展示替えは、初公開の挿絵原画類でも行いました。

挿絵原画のうち、「青い山脈」「舞姫」「めし」の3作品については、数10枚ずつ所蔵していますが、一度には10数枚しか展示できないので、なるべく多くのものをご覧に入れようということです。

ところで、それらの挿絵ですが、一枚一枚に対して連載第何回のどういう話の場面、というような解説はつけていません。
ストーリー上の重要性といったことからは離れて、絵柄の面白さを優先したからです。

絵柄の面白さと言っても、色々切り口はあると思いますが、今回留意したのは≪その時代の風俗≫ということです。

上記の3作品はいずれも≪現代小説≫です。
当然、その挿絵には、その当時の同時代の風俗が反映されています。

「青い山脈」に関しては、残念ながらそういう要素が薄いのですが、「舞姫」と「めし」は舞台が都会ということもあって、街頭の風景などが描き込まれているものが多くあります。

店舗の看板、映画のポスター、建物の雰囲気や、鉄道の車両の姿……そういうものに、時代が見えます。
特に、道路標識が英語になっているところなど、作品が書かれた頃はまだ日本がGHQの占領下にあったのだということを強く意識させます。

あるいは、家の中を見ても、お勝手が座敷より一段下がった土間になっているところなど、今はもう見られなくなった旧時代の家庭の有様を感じさせてくれます。

そういう絵柄を選んで展示していますので、絵の細部までじっくりご覧いただけたらと思います。

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