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2007年6月27日 (水)

文学館協議会総会

もう2週間ほど前になりますが、6月14日に行われた全国文学館協議会の総会に出席してきました。

全国文学館協議会は、その名の通り、全国にある≪文学館≫をつなぐ組織です。

加盟館は総会開始前の段階で89館(他に賛助会員が2団体)。
総会で3館の加盟が承認されましたから、90館を越えたことになります。

「文学館ってそんなにあったの?!」と思われるかもしれませんが、実際には、運営状態や規模を問わなければ、この3~4倍の数の≪文学館≫が存在しています。
当館からすぐ近くの羽村市郷土博物館のように、文学館とは名乗らずに文学資料(中里介山関係)を展示している館もありますし。

今回の出席は41館でした。毎年この前後の数です。

さて、総会では、世の中の他の『総会』と呼ばれるものの例に漏れず、決算・予算および若干の議事についての承認を行うわけですが、文学館協議会の場合、その後に出席した各館からの報告というのを行います。

これが興味深いけれど、長い。
1館が5分間ずつ話したとしても205分で、3時間を越えてしまいます。

そこでの話は、その場だけの、同業者の内輪話のようなもので、どこも同じような悩みを抱えているので共感できますし、また刺激も得られ、非常に面白いのですが、さすがに3時間は、ねぇ。

ところで、今回は今年の秋に開催される総務情報部会(初夏に総会、秋に部会を各1回ずつ開催するのが恒例になっています)を念頭に置いて、各館は総務的な話を報告したわけですが、やはり、指定管理者制度の話が数多く出ました。

私は、前にも書いたように、大雑把な認識しか持っていませんが、予想された通り、事業の継続性ということについて、問題が生じているようです。

特に人材の問題は想像より深刻だと思いました。

職員を有期の嘱託にすることは、コストダウンにはなるかもしれませんが、当の本人は人生設計に不安を抱くことになります。
そのため、せっかくの人材が流出してしまいます。
しかし、指定管理者となっている組織は、数年ごとの更改の際に継続して指定を受ける保証がないので、職員を正規化することが出来ません。
正規職員にしても、別の団体が指定管理者になってしまえば、結局はその職員は仕事を継続できないわけですから。

地方自治体の直営であれば、専門職職員として異動せずに館に所属していられたものが、難しくなってしまったということになるのでしょうか。

文学館に限らず、博物館は資料と人材と施設があって初めて機能するものです。

それは企業でも同じでしょう。

数々の特許を生み出してきた優秀な研究スタッフを有する企業を買収した者が、コストダウンで利益を出すために給料が高いその研究スタッフを追い出して、大学院生のアルバイトを雇って新たにそこに配置するなんてことがあるでしょうか。
その企業を買収するのは、その優秀な研究スタッフあってのことでしょう。
それを排除して人材を入れ替えてしまうのは、企業の価値を下げる行為です。

指定管理者制度では、そのありえない行為が発生しかかっているように思えます。

人材は館とセットのものと考えて、管理者が代わっても、同じ人材が館に残れるような一定の身分保障があるべきではないでしょうか。

もっとも、自戒を込めて言えば、この人がいてこその○○文学館だ、と誰からも認められるほどの人材が、果たしてどれほどいるのか、という部分はありますが。

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