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2007年7月 1日 (日)

宮崎

宮崎県を舞台にした作品は、やはり椎葉村が登場する「新・平家物語」ということになります。

と言うより、「新・平家物語」しかありません。

しかし、この椎葉村をめぐる一連のエピソードは、「新・平家物語」の最後を締めくくる、重要な場面です。

椎葉の山奥に逃げ込んだ平家の落人たちと、それを追討するために派遣された源氏方の武将・那須大八郎の交流。自然の営みの中で、平家や源氏という区別は消え、そして生れる勝者も敗者も無い小さな平和な日々。

しかし、こうして数代、子から子へと、長い歳月が流れて行っても、このままの、愛情と宥(いたわ)りあいにみちた人間同士の営みが、悪も育てずに、続くだろうか、可能だろうか。
そういう疑問も、まれには、大八郎も考えぬではないが、壇ノ浦までの、あの業の世代の記憶を、ここの人びとが、失わない限りは――と信じられた。百年の後は知らず、かれは、ここの日々に満足した。

作中のこの一節は、今の日本や世界にも重い問いかけであるように思えてなりません。

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