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2007年9月17日 (月)

痔と原稿料

お恥ずかしながら、痔になったようで、椅子に座っているとどうも痛くてやりきれません。

痔と言えば、吉川英治にこんな話があります。

英治が東京毎夕新聞という夕刊紙の記者をしていた時代。
大正11年頃のこと。

ある日英治が、どうにも痔の痛みが我慢できなくて、行き当たりばったりに鎌倉河岸にある東京肛門病院という所に駆け込んだところ、診察もしないうちに手術室に通され、あれよと言う間に麻酔をかけられ、手術されてしまった。
そのまま入院させられて、翌朝、看護婦長が「手術料は納めたか」と聞くので、「いいえ」と答えると、看護婦長が急に慌て始めた。
人違いか何かで、どうやら予定外の手術をしてしまったらしい。
責任問題になるので、一部でもいいからお金を払ってもらえないかと言われたが、英治の方も手術になるとは思っていなかったので、手持ちが無い。
新聞社には給料を前借していて、この上さらに前借は出来ない。
困っているところへ同じ新聞社の社会部の猪股という記者が現金を届けてくれた。
英治はすっかり忘れていたが、以前、猪股から頼まれて書いた原稿があって、その原稿料だと言う。
おかげで事なきを得た。

という話です。

ちなみに、この時の原稿料が、懸賞の賞金や新聞社の給料を除いて、文章を書いて貰った初めての原稿料だったそうです。

それにしても、今なら医療訴訟になりそうな事案ですね。


なお、本日は祝日のため開館しております。
明日火曜日が休館になります。

来週も同じですので、ご注意下さい。

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コメント

この猪俣は、猪俣電火ではなく、猪股平三郎ですね。

投稿: 大西小生 | 2007年9月17日 (月) 19時05分

>大西様

いつもご教示ありがとうございます。

吉川英治がこの件について書いた文章を思い出せなかったので、尾崎秀樹「伝記 吉川英治」をもとにして書きましたが、尾崎さんはちゃんと「猪股」としています。
上記文章は私の変換ミスです。

英治本人も尾崎さんも「猪股」と姓しか書いていないので、今まで下の名前を知りませんでした。
助かりました。
感謝いたします。

投稿: 片岡元雄 | 2007年9月19日 (水) 11時37分

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