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2007年12月 8日 (土)

翻訳

こんなお問い合わせがありました。

『The Leadership Within  Learning Enough About Yourself to Lead Others』という本の第1章の冒頭に吉川英治の文章の引用があるが、その出典は?

というものです。

この本は2005年に出版された管理職・ビジネスリーダーに向けてリーダーシップとは何かを教える本なのだそうです。

問題の引用文は

One's self is at the base of everything.Every action is a manifestation of the self.A person who doesn't know himself can do nothing for others.

というものです。

1981年に英訳が出たものなのはわかっている、と質問者の方がおっしゃるので、該当するのが『宮本武蔵』であることはすぐにわかりました。

調べてみると、日本語版では、二天の巻の「大事」という章に該当部分があることがわかりました。
現行の吉川英治歴史時代文庫版では第7巻に含まれます。

盗賊・奈良井の大蔵の手下となって、将軍秀忠暗殺の片棒を担ごうとしている城太郎に対して、沢庵が語る言葉で、

自己が基礎(もと)ではないか。いかなる業(わざ)も自己の発顕(ほつげん)じゃ。自己すら考えぬなどという人間が、他のために何ができる。

という文章です。

何というか、英文の方はなんとなく明解すぎて、含蓄に欠けますな。

ちなみに、お問い合わせと時を同じくして、講談社インターナショナルから吉川作品の新たな翻訳本が送られてきました。

『宮本武蔵』のロシア語版とフランス語の新装版、それと『新書太閤記』のルーマニア語版です。

フランス語版については、以前こんなことを書きましたが、今回の新装版は上下巻に分かれていたものを合併したもので、ついに総タイトルとして『MUSASHI』と表記されるようになりました。

とうとう折れたかフランス人(笑)

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