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2008年1月17日 (木)

初雪

朝、家の外を見たら、ほんの少し雪が積もっていました。
この冬の初雪です。

初雪といえば、

初雪やニの字二の字の下駄のあと

という有名な句があります。

この句をめぐる思い出話を当館館長で長男の吉川英明が講談社文庫の「吉川英治の世界」の中に書いています。

小学生の頃、ちょうど戦後の断筆中だった父・英治が、お前たちも少し俳句を勉強しろ、と言って俳句の手ほどきをしてくれた。
最初に作った数句をほめられたことに調子づき、弟と2人で俳句を作っては英治に見せていたことがあった。

初雪が降ったある日、学校で先生が黒板に上記の句を書いた。
てっきり先生の自作の句だと勘違いした英明は、そんなものを英治が知っているわけはないと思い、学校から帰ると、また一句できたと言って、英治の前でこの句を口にした。

それを聞いた英治は、「まことに変な顔」をして、「むー」とうなってしばらく黙っていたが、それは昔の人が作った句で、たまたま似てしまったのだろうが、そうならないようによく勉強しないといけない、と静かに英明を諭した。

そんな話です。

吉川英明は、その「まことに変な顔」のことを、

息子の“盗み”を見つけた時の父親の顔だった。

と書いています。

ちなみに、英治の方は、これとは逆に、自作の俳句を先生から盗作と決めつけられて泣いてしまった話というのがあって、以前ご紹介したことがあります。

不思議な対比ですね。

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