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2008年5月31日 (土)

海を越えた吉川文学

という企画展を本日から開催します(7月21日まで)。

タイトル通り、外国語に翻訳された吉川英治の作品を紹介する企画展です。

こう言うとなんですが、展示自体は本を並べただけに過ぎません。
しかし、吉川英治の作品、とりわけ「宮本武蔵」の外国語版のバリエーションの多さを見ていただくだけでも、お楽しみいただけると思います。

装丁画の≪いい加減≫ぶりを、ただ眺めるのも一興かと思いますよ。
笑えますから。

お暇な方はお運びを。

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2008年5月27日 (火)

dankai パンチ

という雑誌の6月号に「いまこそ理想の書斎を手に入れる。」という特集記事があり、その中に「作家の書斎探訪マップ 東京近郊篇」というコーナーがあります。
取り上げられているのは、子規庵、横山大観記念館、岡本太郎記念館、林芙美子記念館、大田区立龍子記念館、旧白洲邸武相荘、武者小路実篤記念館、山本有三記念館、そして当館です。

取材協力したので、掲載誌が送られてきました。
ありがとうございます。

実篤記念館が見開き2ページ、山本有三と当館が見開きの左右に1ページずつと、他の館より大きく取り上げられています。
ご興味のある方は、ぜひどうぞ。

ところで、数年前から団塊の世代が大量に定年となって、余暇時間を持つようになると、観光などの消費活動が活発になるのではないか、という予測がなされてきました。
この雑誌も、その人たちをターゲットにしているわけですが、どうでしょう?

個人的には、他はともかく当館にはそれほどプラスの影響は無いのではないかという気がしてなりません。

団塊の世代よりも上の世代の方々は、吉川英治とともに育ってきたという感覚がおありだと思うのですが、団塊の世代にとっては、若い日々、反権威を標榜してワイワイやっていた頃には、吉川英治はその≪権威≫の側の人間と認識されていたのではないかと思うのです。
わざわざそんな所に足を運ぼうとはしないんじゃないのかなぁと、何となく思うのです。

たぶん司馬遼太郎記念館や松本清張記念館あたりなら来館者が増えるでしょうが、当館は団塊の世代にとっては、少なくともノスタルジーを憶えるような対象ではないのではないでしょうか?

団塊の皆さん(という呼びかけ方もどうかと思いますが)、どんな感じですかね?

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2008年5月20日 (火)

台湾文学館の魅力

神奈川近代文学館から上記タイトルの展覧会のチラシが送られてきました。

以前、こんなことを書きましたが、そこで触れた展覧会が始まるようです。

正直なところ、台湾の文学と言って思い浮かぶものが何も無いのですが、それだけに、かえって関心があります。

何とか休みをとって、見学に行きたいものです。

講演会や映画会なんかもあるようですので、興味のある方はぜひ。

ちなみに、神奈川近代文学館の常設展示には吉川英治のコーナーもあるので、そちらも見てみて下さいね、せっかくなので。

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2008年5月13日 (火)

浅田次郎さんと語るひととき

昨年から定例行事化した「吉川英治賞受賞作家と語るひととき」の第2回は、本年度吉川英治文学賞受賞者(『中原の虹』)の浅田次郎さんです。

参加者募集の要項が決まりましたので、サイトの方にアップいたしました。

参加ご希望の方は、サイトをご覧のうえ、規定に沿ってご応募下さい。

ちなみに、昨年の宮部みゆきさんの時は、先着順で募集したところ、募集開始初日で定員に達してしまいましたので、今回は抽選にしました。
30日間の募集期間を設けておりますので、慌てずにお申し込み下さい。

ご応募お待ちしています。

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2008年5月11日 (日)

母と妻

昨年、一昨年と母の日には、吉川英治が母親について書いた文章をご紹介していますが、今年もそんな一文を。

いつか母を欣ばしてやろう――と心の底で思っていることは、男の事業を後ろから絶えず押してくれる大きな張合いでもある。母を失うのは、男がその大きな張合いを失うことにもなる。

母親というものについて書いた随筆「よその母わが母」の中の一節です。

吉川英治自身は、作家としてデビューし、人気作家として成功をおさめたのは、母親を亡くしてから数年後のことです。
この姿を母に見せたかった、という思い、ようやく経済的にもひとかどの者になったというのに、それを喜んでくれる母がいない、という喪失感は強かったでしょう。

そんな気持ちがうかがえます。

ちなみに、この後に続くのは、こんな文章です。

男の生活本能の中には、「欣んでくれる者」をいつも求めている。女房というものは、母のごとく欣んでくれないものだ。母を失った良人に対して、その妻がもっとも意を用いて欲しいことは良人の生活本能の表現に対して、母のごとく欣んでやることではないかと思う。理知を超えて他愛なく感謝する――母のごとく欣ぶということは――妻には難しいことにちがいないが、実に男性はそのことのみに依って、いかなる社会的な苦闘も忘れうるものである。

私は独身なので全く実感がありませんが、同意する既婚男性は多いのではないでしょうか。

もっとも、既婚女性からは、女性だって「欣んでくれる者」を求めているのに、夫はそれを満たしてくれない、と反論されるでしょうが。

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2008年5月 8日 (木)

東映キネマ旬報

というフリーペーパーが、東映ビデオから発行されています。
「フリー」とは言っても、ショップの店頭で配布されているのではなく、登録して定期購読が必要なようですが。

さて、この「東映キネマ旬報」の最新号(季刊で2008年夏号)の特集が『吉川英治の世界』。
というのも、吉川英治原作の映画「江戸三国志(3部作)」「神州天馬侠(2部作)」「恋山彦」「鳴門秘帖(2部作)」の4タイトルがDVD化され、去る4月21日から販売されているからです。

これで東映からDVD化された作品は、既に出ている「宮本武蔵(5部作)」を含めて5タイトル(13本)になりました。

これでもまだ作品群の一部で、「東映キネマ旬報」の特集記事を読むと、昭和27年から40年にかけて、吉川英治原作の映画が40本もあります(2部作、3部作になっているものを全て単独で数えた場合)。

特集には皆川博子、佐藤忠男、縄田一男の各氏による、解説というかエッセイというか、そういう文章も掲載されています。

ご興味のある方は、入手してみて下さい。

なかなか面白いですよ。

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2008年5月 2日 (金)

納得

とあるテレビ番組のための資料撮影がありました。

歴史上のあまり知られていない事実を取り上げるということがコンセプトらしい番組で、「生涯無敗の宮本武蔵が島原の乱に出陣して農民の投げた石にあたって怪我をした(負けた)」という話を紹介したいので、吉川英治記念館で所蔵している宮本武蔵の書簡を撮影したいというわけです。

最近のテレビのバラエティ番組では、一つの話題を時間をかけて掘り下げるということはせず、たくさんのトピックを次々に取り上げていくスタイルが多いようで、この宮本武蔵が島原の乱で石にあたったという“ネタ”も、番組内で取り上げるのは5分くらいとのこと。
正直、その程度のことのために貴重な資料を収蔵庫から出してくるのは気がすすまなかったのですが、しばらく展示もしていないし、虫干しだと思って協力することにしました。

それはそれとして。

撮影依頼をかねた事前の電話取材の際にこんなことを聞かれました。

どうして青梅に宮本武蔵の書簡があるんですか?

いや、えーと、そこを聞きますか?

小説「宮本武蔵」を書いた吉川英治の記念館だからですよ。「宮本武蔵」を書いたことで、こういうものがあるのですがと言って売込みがあって、それを吉川英治が購入したんです。それがそのまま吉川英治記念館に移管されたんです。

と、お答えしましたが、「すみません、不勉強で」と言いながら、あまりピンとはきていないご様子でした。

相手は若い女性でしたが、まあ、今の若い女性にとって吉川英治は縁遠い存在なんでしょうね。

来館者数の減少に納得がいくとともに、こういう方々にも吉川英治に関心を持ってもらえるような何かが必要なのだな、とつくづく思いました。

もっとも、それはこの10年ほど、ずっと課題として存在し、それが何かはいまだにつかめないのですが。

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