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2008年7月17日 (木)

市川雷蔵

今日は市川雷蔵の命日(昭和44年)です。

大学生だった昭和60年代前半に、よく名画座で市川雷蔵の映画を観たものです。
20本ほど観たでしょうか。
と言っても、市川雷蔵は短い生涯に153本の映画に出演しているので、2割にも満たない本数ですが。

市川雷蔵は、吉川英治文学賞受賞者でもある柴田錬三郎原作の「眠狂四郎」シリーズが有名で、日本映画史上最高の時代劇スターと言えますが、個人的には現代物である「ある殺し屋」シリーズや「陸軍中野学校」シリーズが好きで、先年発売されたDVDも購入しました。
良い映画ですよ。

その市川雷蔵の出世作は、平清盛を演じた「新・平家物語」で、もちろん吉川英治原作。
その他に、吉川英治原作としては「鳴門秘帖」にも出演しています。

ただ、市川雷蔵が演じた戌亥竜太郎というのは、原作には存在しない登場人物で、主人公の法月弦之丞を演じた長谷川一夫と新旧二大スターを登場させることだけが目的と言ってもいいような配役です。
当時の常識としては若き善玉スターをお十夜孫兵衛や旅川周馬にするわけにはいかないでしょうから。

もっとも、後に当たり役となる眠狂四郎は、大衆文学史的には、机龍之介からの虚無的ヒーローの系譜にあるものとされ、お十夜孫兵衛はその系譜上での眠狂四郎の先輩にあたります。
その意味で、市川雷蔵がお十夜孫兵衛を演じたら面白かったのに、と思うのですが。

ちなみに、吉川文子夫人が存命で、当館の館長だった頃に、「私は市川雷蔵が好きなんですが、この映画『鳴門秘帖』については吉川先生は何かおっしゃってましたか?」とお尋ねしたことがあるのですが、「試写を観て、『あれはダメだ』と言っていました」とのことでした。

吉川英治は、作品が映画や芝居になるのは娘を嫁にやるようなものだからと、改変されたりしても表立って不満を述べることはあまりなかったようですが、原作を大幅にいじられていたので、さすがに気に入らなかったのでしょう。

興味深いお話でした。

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