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2008年9月 3日 (水)

生命をたのしみ給えよ

吉川英治の長男で現在当館館長である吉川英明が編集した吉川英治の名言集があります。
タイトルは「いのち楽しみ給え 吉川英治人生の言葉」(講談社 2002年)と言います。

このタイトルの元になったものを、今回の企画展「吉川英治の家族愛」の中で展示しています。

昭和24年3月に、六興出版から「宮本武蔵」第1巻が刊行されました(昭和25年4月までに全10巻を刊行)。
その際、吉川英治は、その見返し部分に献辞を書いて、息子である英明に与えました。

正しく 健康に 仲よく
母をいつくしみ
生命をたのしみ給へよ

昭和二十四年仲春 著者
吉川英明君 恵存

昭和13年10月生れの英明は、この時満年齢では10歳。
英治は、何を思って、まだ幼い我が子にこの言葉を贈ったのでしょうか。

上記の本のあとがきに、英明はこう書いています。

 十歳の私にはよく分からなかったが、今読み返してみると、英治の人生哲学は、この「生命をたのしむ」という言葉に尽きていると思う。
 生命をたのしむ……その楽しみ方は、ひとそれぞれ違う。武蔵に又八のような享楽的な日常を強いても、それは苦痛でしかないだろう。武蔵はあのストイックな生き方で、己の生命を楽しんだのだ。
 そう考えると、英治の作中人物は、露八や麻鳥はもちろん、秀吉も清盛も尊氏も、そしてあの悲劇の武将正成でさえ、それぞれ精一杯、自分たちの生命を楽しんでいるように見えてくる。
 もちろん英治本人も、生命を十二分に楽しんだ末、昭和三十七年九月、七十歳の生涯を閉じた。

まもなく、その吉川英治の命日がやってきます。

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