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2008年10月24日 (金)

苦労人

先週の土曜日に、「浅田次郎さんと語るひととき」が開催され、無事、盛況のうちに終りました。

話は、自らの作家デビューや文学の新人賞の話から、「蒼穹の昴」「中原の虹」の時代背景についての解説まで、また、質疑に応じて、自衛隊入隊のいきさつや近い時代を扱うことへの怖さなど、幅広くお話いただきました。

その中で、私が気になった一言二言をご紹介。

・様々な職を経てきたなんて、ロクなもんじゃない。それは根気がないか、運がないかのどちらかだから。

話の流れとしては、自分も紹介される時には様々な職業を経験してきた苦労人、などと言われるけれど、それはデビューが遅かった作家を売り出すための出版社のレトリックであって、自分は自衛隊とアパレル業しかやっていない、そもそも……、ということになるのですが。

どうしてこの言葉が気になったかというと……

吉川英治という人は、作家デビューするまでに10以上の職を経験してるんですけど。

会の最後を、「尊敬する吉川英治先生に一歩でも半歩でも近づきたい」という言葉で締めてくださった浅田さんですが、そのあたり、わかっていておっしゃったのか、ご存知なかったのか(微笑)

ただ、どんなに多彩な才能を持っていても、あれにもこれにも手を出している人は、これと決めてひとつの事に打ち込んできた人には絶対勝てない、という浅田さんの言葉(学生相手に講演する時には決まって話すそうです)は、吉川英治の座右の銘のひとつである「大衆即大知識」という言葉に通じるものがあるような気はします。

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