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2009年1月17日 (土)

お父さま

菊池寛顕彰会会報『菊池寛』第四号が送られてきました。

パラパラと目を通していると、『菊池寛記念館の展示紹介』ととして、『大正・昭和の作家が集う「文士花盛り絵図」』(石岡久子)という文章がありました。

横五メートル、縦一・二メートル。漫画家の横山隆一さんと彼が率いる漫画集団の浜田貫太郎、二階堂正宏、小山賢太郎さんたちによって描かれた文士七十七人の似顔絵である。

確かに、私も菊池寛記念館に足を運んだ時に見た記憶があります。

さて、平成4年に菊池寛記念館が開館した時に開会式に出席した吉川文子夫人がこの絵の中に夫・吉川英治の姿を探していたという話が紹介されています。

筆者はこの時文子夫人が

「お父さんは何処にいるのかしら?」

と言って絵の中を探していたと書いています。

しかし、それは記憶違いでしょう。

文子夫人なら、「お父さま」と言ったはずです。

文子夫人は、私がここに勤め始めた時の館長であり、以後、亡くなられるまで何度もお目にかかっていますが、「お父さん」などと口にされたことはありません。
普通は「お父さま」、公的なところでは「主人」でした。

出会った時には既に大作家であり、年齢差も大きかっただけに、「お父さま」が自然なことだったのだろうなぁ、といつも思っていました。

その文子夫人が亡くなって、まもなくまる3年。

「お父様」という声も、昔話になってしまいました。

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