« 吉川英治の落語 | トップページ | 青梅マラソン »

2009年2月11日 (水)

SF?

さて、もったいぶりましたが、「夢ビル」とは、こんな作品。

話は若主人と辰さんの会話で進みます(落語ですから)。

いま世界の人口はどんどん増加している。
このまま増加し続けると、地球は人間で一杯になって、空中や地下まで開発して人が住まなければならなくなる。
それだけならばまだいいが、人間の欲には限りがない。
そんなになっても、人より良いモノを食いたい、なんて欲望はなくならない。
となると、食糧が不足することは目に見えている。

と、辰さんに説く若主人。
何か良い方法はないかという辰さんに対し、若主人が、実はもう出来ていると言う。

近頃、丸の内に≪夢の内ビル≫略して≪夢ビル≫というのが出来た。
そこでは、獏の甲状腺から抽出した薬を、客の希望にあわせて調合し、それを服用して電気刺激を受けると、何でも思うがままの夢が見られる。
夢の中でどんな贅沢をしたって、実際の食糧やら物資がなくなるわけじゃない。
客も満足するし、実に合理的だ。

というわけで、以下、どんな夢を見ることが出来るのかを若主人が辰さんに次々と紹介していくというお話です。

この設定、『SF』と言ってもいいんじゃないでしょうか。

≪新作落語≫ではなく、≪新奇落語≫であるのは、そういう意味なのかもしれません。

後年の作品は、歴史・時代小説が主で、現代物すらあまりありませんから、SFとなると、唯一の作品ということになります。

現在の日本では少子化ばかりが言われますが、地球規模では人口爆発の方が大問題となっています。

吉川英治がこんな作品を書いた大正13年=1924年の頃は、世界人口が20億人ほど。
現在はその3倍以上になっています。

本当に食糧不足になって、≪夢ビル≫が必要な世界になるかもしれません。

≪落語≫なのに笑えないというのは、ご免こうむりたいものです。

|

« 吉川英治の落語 | トップページ | 青梅マラソン »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 吉川英治の落語 | トップページ | 青梅マラソン »