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2009年5月13日 (水)

ナルキッソス?

先日来、ある一羽のシジュウカラが、不可解な行動をとっているのが気になっていました。

吉川英治旧宅の台所に据え付けの給湯器があります。
故障して今は使っていないものですが、結構大きなもので、室外に換気口が突き出しています。
換気口には、保護と安全のため、カバーがついています。

この換気口の周囲を、シジュウカラがしつこく飛び回っているのです。

初めは、換気口のカバーにつけられた格子の隙間から入り込んで、中に巣でも作っているのかと思いましたが、格子の隙間はどう考えてもシジュウカラが潜り込めるほどの幅はなく、実際、中に巣がある様子も見受けられません。

一体何をしているのか気になり、寸時観察してみました。

すると、このシジュウカラが口にアオムシを咥えて飛んで来て、格子の中をさかんに気にしているのです。
しかし、中に別のシジュウカラがいる様子もありません。
にもかかわらず、何度も何度も同じ行動を繰り返します。

そのうち、ふと思いつきました。

この、餌を運んでくるという行動は、求愛行動ではないか?

ネットで検索してみると、確かに求愛行動のようです。

実は、換気口はステンレス製で、鏡ほど鮮明ではないものの、ものが映ります。

と言うことは、このシジュウカラ、ステンレスに映る自分の姿をメスと勘違いして、求愛しているのではないでしょうか。

ギリシャ神話にナルキッソスの話があります。

水に映る自らの姿に恋し、その場を離れることが出来なくなって、命を落としてしまう美少年ナルキッソス。
死後、彼は花へと姿を変えられますが、それが水仙であるとされています。

自己愛=ナルシシズムの語源ともなったこの神話ですが、それを思い出してしまいました。

行動の意味が何となくつかめたので、換気口に紙を貼ってみました。

そうしたところ、シジュウカラは換気口に寄り付かなくなりました。

あのシジュウカラが、ちゃんと新しい恋を見つけてくれていればいいのですが。

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