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2009年6月26日 (金)

おすそ分け

「書簡に見る吉川英治の交遊」、続いてご紹介するのは、堀越梅子宛の吉川英治書簡です。

堀越梅子と言っても、よほど茶道に詳しい方でないと、ご存知ではないでしょう。

この方は裏千家の女子茶道の先駆者の一人で、号は≪宗圓≫。
吉川英治と同じ明治25年(1892)の生まれです(没年は1978年)。
父親は、かの松方正義です。

吉川英治と交流を持つようになった時期ははっきりしませんが、吉川英治は堀越家の初釜に招かれるなど、親しくしていました。
堀越梅子宛の書簡・葉書は、ご遺族からご寄贈いただき、19通を当館で所蔵しています。

その中から展示しているのは、昭和10年12月31日付のもの。
と言っても、≪昭和10年≫というの、内容からの推定で、実物には「師走三十一日」とあるだけで、年の記載はなく、消印もありません。

その内容は、須賀川牡丹園から牡丹の薪を送ってもらったので、そのうちの一把をおすそ分けします、というもの。
おそらく、家人に堀越家まで牡丹薪を持参させ、それに添え状としてつけたものなので、消印がないのでしょう。

牡丹の薪と言えば、以前こんなことを書きました。

この宴席で牡丹焚火を行ったのが、昭和11年1月13日なので、堀越家に牡丹の薪を贈ったのは、昭和10年の大晦日であっただろうと推定しています。

これが昭和10年ならば、19通の中で一番古いものになりますが、内容からして、その前から交流はあったようです。

ちなみに、今回は展示しませんが、以前、19通の中の別のものをこのブログで取り上げました。

そちらもよろしければお読みください。

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