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2010年9月16日 (木)

塩屋賢一さん

塩屋賢一さんが去る12日にお亡くなりになっていたことを報道で知りました。

塩屋さんは、報道にもあるように、日本初の国産盲導犬の育成に成功し、以後、その普及に尽力されてきた方です。
その功績に対し、昭和57年、第16回吉川英治文化賞を差し上げています。

平成8年に当館主催で、吉川英治賞30周年の記念講演会を青梅市民会館で行った際、講師としてご講演いただきました。

その時に、お話しになったことで印象に残ったことは、「盲導犬と言うと、犬の方に視点がいってしまう。しかし、自分の仕事は、犬を育てる仕事なのではない。目が見えない方々が安全に外出できるよう手助けをする、自立のお手伝いをしているのだ」ということでした。

また、盲導犬を見かけた時に、「あら、お利口ねぇ」などと犬の方に声をかけるのではなく、その盲導犬を使っている目の不自由な方の方にこそ声をかけて欲しい、ともおっしゃっていました。

何年か前に盲導犬を取り上げた映画がヒットしました。
それによって盲導犬への理解が進んだ面はあると思いますが、同時に、ヒットしたこと自体には、登場する犬が可愛いという感情が影響した部分が大きかったでしょう。

塩屋さんにご講演いただいたのは、それよりも前の話ですが、犬が可愛い、という気持ちではなく、目が不自由な方への思いやりを持って欲しいということを、塩屋さんは訴えておられたわけです。

言葉として普及しているとは言い難い面がありますが、塩屋さんの主宰する団体が東京盲導犬協会から≪アイメイト協会≫に改称したのも、上記のような考え方に立ち、盲導犬という犬ではなく、アイメイト=目の仲間なんだという思いがあったからでしょう。

ご冥福をお祈り申し上げます。

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