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2011年4月30日 (土)

吉川英治が撮影した中国(1)

昨日触れたように、企画展「『三国志』の原点を見る――吉川英治が写した中国」を開催中です。

当館で所蔵する写真を点検中に、吉川英治が写っていない、しかし昭和13年に行なわれた「ペン部隊」の従軍の際に中国で撮影されたと考えられる写真が大量に存在することに気がつきました。

吉川英治が写っていないのならば、もしかすると吉川英治が撮影したものではないかと考え、調べたところ、当時雑誌に掲載された記事の中に、これらの写真の一部が≪吉川英治先生撮影≫などとして紹介されていることがわかりました。
このことから推して、全てが吉川英治自身の撮影によるものと確定はできなくとも、この一連の写真の中に吉川英治が撮影したものが含まれていることは間違いないと判断しました。また、よしんば吉川英治が撮影したものではなくとも、その場に吉川英治もいて、そこに写っているものを目にしたことは確かだと思われます。

そこで、これらの写真をパネルにして展示し、「ペン部隊」参加中の吉川英治が、中国において何に眼を向け、写真に残したのかを見てみたいと、この展覧会を企画しました。
それを知ることで、吉川英治が「三国志」の中に込めようとした思いが、小説とは違う形で伝わってくるのではないかと考えています。

ちなみに、吉川英治の長男である当館館長の吉川英明は、当初、「父が写真を撮ったとは考えられない」と言っていました。
「ラジオすら自分では選局しなかったほどの機械オンチだったのに、オートフォーカスではない上に露出まで調節しなければいけなかった当時のカメラを扱えたとは思えない」と言うのがその理由です。
しかし、服装から吉川英治と判断できる人物が写真を撮っている写真がこれらと一緒に見つかり、それを見て「父も写真を撮っていたんだなぁ」と納得し、感慨深げでした。

ちなみにこれがその写真です。

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2011年4月29日 (金)

吉川英治が写した中国

本日から企画展「『三国志』の原点を見る――吉川英治が写した中国」を開催しています(7月3日まで)。

これは、吉川英治が昭和13年に「ペン部隊」で従軍した際に自ら撮影した写真をご紹介するものです。

吉川英治の代表作である「三国志」は、昭和12年の毎日新聞の特派員としての北支従軍と、このペン部隊の従軍によって戦時下の中国を視察したことが、執筆の背景にあると言われます。
そのペン部隊の際に撮影した写真から、「三国志」との結びつきが見えるのかどうか、実際にその写真を見ていただこう、というのが企画の意図です。

自分で企画しておいて言うのもなんですが、≪戦争≫を扱っているので、注目してもらいたい気持ち半分、あまり話題になって欲しくない気持ち半分、というのが正直なところではあります。

しかし、初公開の貴重な写真が多数ありますので、一度とにかく見るだけ見てやろうという方は、ぜひお運び下さい。

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2011年4月26日 (火)

草思堂落語会

先週の土曜日、草思堂落語会を開催いたしました。
おかげさまで多くの方にご参加いただきました。ありがとうございました。

演目は告知の段階ではお楽しみとさせていただいておりましたが、吉川英治原作の落語としては昨年に引き続きの「花見どむらい」となりました。
ただし、この「花見どむらい」の枕として、やはり吉川英治原作の「ことわり屋」を演じるという形で、新しいものも演じてくださいました。

演じた柳家禽太夫さんの話では、「ことわり屋」は噺としてはどうしても短いので、単独では難しいということで、こういう形にしたそうです。

「花見どむらい」は、昨年の草思堂落語会の後、他の席でも演じたということで、昨年よりもこなれてきた感じがしました(ってエラそうな)

ある勉強会の席で吉川英治が作った新作落語であることを伏せて演じたところ、会の後のアンケートに「古典だと思った」という回答がいくつもあったそうで、禽太夫さんも手応えを感じていらっしゃるようです。

何をもって新作と古典の境界線とするかには色々意見はあるでしょうが、禽太夫さんいわく、自分もその噺をやりたいという人が現れて、噺が受け継がれていけば、それが古典ということになるのではないか、ということでした。

「花見どむらい」がそうなったら、落語の歴史にも吉川英治の名が残ることになって、ちょっと面白い。
企画を立てた私も誇らしいというものですが、さてどうなるでしょうか。

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2011年4月25日 (月)

嘘も方便

もう選挙も終わったので。

昨日、地元の市会議員選挙がありました。

選挙期間中に、ある候補者が当館の駐車場の前に車をとめ、数分間、演説をしていきました。
その冒頭のひとことが、

私も愛読した「宮本武蔵」や「徳川家康」の作者である吉川英治さんの記念館の前から、柚木町の皆さんに……

来館者の方にも、こういう勘違いをしている方は数多くいらっしゃいます。

受付の前で、同行者から「吉川英治って何した人だっけ」と問われて、「『徳川家康』書いた人だよ」と、“どや顔”で答えている人。

展示を観終わった後に、受付にやって来て、「どうして『徳川家康』の展示がないの?」と聞いてくる人。

ですから、別に、これが候補者の発言でなければ、何とも思わないのですが。

政治家には公共の利益のために敢えて嘘をつかねばならない時がある、だから嘘をつく才能は政治家には必須だ、と私は考えています。

その点、こういう底の浅い嘘はいただけません。

あの膨大な「徳川家康」を読んでおいて、山岡荘八の名を忘れる人はいないでしょう。

「愛読した」なんて調子のいいことを言わないで、読んでないなら、吉川英治の名前だけ出しとけばよかったのに。

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2011年4月 3日 (日)

今後は通常営業

吉川英治記念館は、今後大きな情勢の変化がない限り、通常通り開館いたします。

この1週間、JR青梅線の運休もなく、無事通常通りに開館することができました。
ありがとうございました。

さて、そのような状況に加え、東京電力からは、「国の指導により重要施設への電力供給に伴い、お客さまがお住まいの地域は3月26日(土)以降より計画停電の対象外となります」というお知らせが届きました。

停電の予定されている地域にお住まいの方には申し訳ないことですが、重要施設(それが何なのかの明記はありませんので、色々な噂が飛んでいますが)のおこぼれにあずかるような形で、当館の周辺は今後停電にはならないということです。

とは言え、この周辺が停電にはならなくとも、他の場所の停電の影響で青梅線が止まってしまう可能性はあります。
それはリスクですが、とりあえず、今後は営業中に停電になるという危険は回避されましたので、通常通り開館することにいたします。

もちろん、優遇される立場になった以上は、今まで以上に節電に注意しながら開館するつもりです。
照明がいつもより暗いとか、暖房が入っていないとかのご不便はおかけすることになりますが、ご理解ください。

よろしくお願いいたします。

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