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2011年8月25日 (木)

言葉のビタミン

毎日新聞夕刊に「童門冬二の言葉のビタミン!」という連載があります。
昨日の夕刊に掲載された同連載で吉川英治の「朝の来ない夜はないのだから」という言葉が取り上げられています。

「・・・ないのだから」にちょっと引っかかるものを感じつつ読み始めると、冒頭に

「よし今度も立派に乗り越えて見せるぞ。朝の来ない夜はないのだから」。

とあります。
あれ、これは私が以前ここここで取り上げたものと同じ表現だが、と思いながら読み進めると、

冒頭の言葉は同書中の武蔵の独白。

と書かれています(注:文中の同書とは「宮本武蔵」のこと)。

まさか!
「宮本武蔵」に書かれているものを私は見落としていたのでしょうか?
だとしたら、上記のリンク先のような文章を書いた私は、いい恥さらしです。

慌てて確認してみました。

こういう時は電子文庫版が手っ取り早いと、電子文庫版の「宮本武蔵」を立ち上げ、検索をかけてみました。

「朝の」とか「来ない」とか、いろんなパターンで5~6回繰り返し検索してみましたが、ひっかかりません。

どうやら童門さんのご記憶違いで、私の記憶の方が正しかったようです。

吉川英治の座右銘というと『我以外皆我師』と『朝の来ない夜はない』が双璧ですが、吉川英治=「宮本武蔵」というイメージが強いのか、これらが「宮本武蔵」の中に出てくる言葉だと思い込んでいる方が多いようです。

実際には『我以外皆我師』が、そのままのフレーズで登場するのは「新書太閤記」であり、『朝の来ない夜はない』は「新・平家物語」と「私本太平記」なのですが。

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2011年8月 2日 (火)

詐欺

日本博物館協会からの郵送物の中に、こんな文書が入っていました。

「当協会上部団体を名乗る入館料詐欺の発生について」

何事かと思えば、日本博物館協会の上部団体の者だと名乗り、正体不明のカードを提示して、無理やりタダで展覧会に入場した者がいる、という報告と警告でした。

なるほど、そう来たか。

日本博物館協会の加盟館には2年ごとに会員証が送られてくるのですが、その裏面にはこのような『お願い』が書かれています。

■各会員館園におかれては、平常展の際の無料見学等に特別の御便宜をお計らい下さるようお願いいたします。
■本会員証所持者及び同伴者1名の入館をお願いいたします。

つまり、この会員証を持参した者とその同伴者1名を常設展に限り無料で入館させてください、という『お願い』です。

こういう仕組みがあることを知っている人物の犯行なのでしょう。

実は、これは『お願い』ですから、別にそのように対応する義務はありません。
今回の文書にも、

会員様同士のご研鑽のため、会員証提示による常設展の無料及び割引入館措置をお願いしておりますが、あくまで会員相互のご協力を呼びかけるものであり、ご対応は会員各位にお任せしております。

と記載されています。

さて、こんな大仰な文書が届くくらいだから、大変な被害が出ているのかと思いきや、被害を受けたのは1館で、被害総額は特別展料金800円×2名=1600円。
どちらかと言えば、被害を受けた館が、博物館協会に上部団体など無いこと、無料入場させる義務は無いこと、無料入場は常設展に限り特別展(別料金を取るもの)には適応する必要は初めから無いこと、を知っていれば問題は起きなかったのではないかという気はします。

もっとも、例えば当館では博物館協会の会員証を提示して無料入館した方は、過去20年間に思い出せる限りでたったの1人。
滅多に利用者が無ければ、いちいちそんなことは覚えてなくても仕方が無いことです。

それはそれとして、この犯人にとって、この特別展は「対価として800円払う価値は無いが、犯罪を犯してでも観る価値はある内容だった」ということでしょうか?
なかなか面白い脳内構造の持ち主ですね。

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