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2012年6月15日 (金)

写真

一昨日、全国文学館協議会という組織の総会がありました。

そこで今回話題になったことの一つが写真の著作権の問題。

それとは直接の関係はないのですが、以前経験した釈然としない話を思い出しました。

元カメラマンの方から、こういうお問合せの手紙をいただいたことがありました。

若い頃雑誌の取材で撮影した吉川英治の写真があるのだが、撮影データを紛失してしまって、いつ撮影したものかわからなくなった。そちらでわかるだろうか?

お問合せいただいたので、こちらにある写真資料を調べ、わかったことを返信しました。
すると後日、礼状が届いたのですが、その中の一文が、ちょっと引っかかったのでした(記憶で書いているので文章はそのままではありません)。

もしご必要なら実費でプリントいたします。

もちろん、写真をプリントするには印画紙などの材料費がかかります。
かかりますが、その時の私は、ふとこんな思いにとらわれたのでした。

私が問合せを受けて調査するのは“タダ”で、お礼に提供すると言う写真は有料なの?

「実費でプリント」という言葉の意図は、わかりません。

「私には著作権があるので、本来ならば著作権料を頂くところだけれど、調べてくれたお礼に実費だけで良いですよ」ということかもしれませんし、単に「写真をプリントするのは結構お金がかかるので、そこは勘弁してくれよ」ということなのかもしれません。

しかし、その日の私は、その文章にカチンときたのでした。

興信所ではないので、調べて得た情報に金を払えと言う気はありません。
まして、このインターネットの時代です。
タダでいくらでも情報が得られる(まあ、偏りがある上に玉石混交ではありますが)このご時世に、自分が他人に提供する情報が≪カネを取れるもの≫であるという自信はありません。

問合せに答えるのはサービスの一環ですし、そうすることが、緩やかな広報活動にもなると捉えてもいます。

でも、何か、「実費でプリント」と言われると、バランスが取れていないような気がしてしまう、そういう心の狭い自分も、私の中にいることは確かなのです。

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