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2012年11月19日 (月)

複数のタイトルを持つ作品(3)

(3)特定の単行本でのみタイトルが異なる

このパターンが一番多く、10作品あります。

・「神州天馬侠」(『少年倶楽部』大正14年5月号~昭和3年12月号)
⇒「新州天馬侠」 昭和26年ポプラ社版と昭和30年集英社版(大城のぼるによる漫画化作品)で使用。

・「一領具足組」(『講談倶楽部』昭和4年4月号~8月号)
⇒「恋の祐夢」 「剣侠百花鳥」(自由文庫 昭和23年11月)でのみ使用

・「梅颸の杖」(『文藝春秋 オール読物号』昭和5年7月)
⇒「山陽の母」 「日本名婦伝」(全国書房 昭和17年1月)でのみ使用

・「田崎草雲とその子」(『文藝春秋』昭和7年夏期増刊号)
⇒「田崎草雲とその妻」 「日本名婦伝」(全国書房 昭和17年1月)でのみ使用

・「べんがら炬燵」(『週刊朝日』昭和9年新春特別号)
⇒「雪のあした」 「吉川英治自選集」(輝文堂 昭和17年7月)でのみ使用

・「無明有明」(『婦人倶楽部』昭和11年1月号~13年2月号)
⇒「婦情母心」 昭和23年玄理社版でのみ使用
 「有明無明」 昭和29年および昭和32年の桃源社版でのみ使用

・「悲願の旗」(『サンデー毎日』昭和12年新春特別号)
⇒「大蔵経開眼」 「吉川英治自選集」(輝文堂 昭和17年7月)でのみ使用
 「大蔵経開版」 「柳生月影抄」(中川書店 昭和22年12月)でのみ使用

・「東雄ざくら」(『現代』昭和14年1月号)
⇒「佐久良東雄」 「吉川英治自選集」(輝文堂 昭和17年7月)でのみ使用

・「彩情記」(『婦人倶楽部』昭和15年1月号~16年1月号)
⇒「隠密色絵奇談」 昭和24年向日書館版でのみ使用

・「梅里先生行状記」(『朝日新聞』昭和16年2月18日~8月24日)
⇒「水戸黄門」 昭和48年および昭和52年の六興出版版でのみ使用

このうち、「神州天馬侠」を「新州天馬侠」としたのは、敗戦直後の時期であったため「神州」の語を使用するのをはばかったという理由があったようです。

「梅颸の杖」⇒「山陽の母」と「田崎草雲とその子」⇒「田崎草雲とその妻」は、収録した短編集の「日本名婦伝」というコンセプトに合わせてタイトルを変えたのでしょう。

「吉川英治自選集」でのみタイトルを変えているものが3作品もあります。
この短編集には6作品が収録されているので、半分タイトルが変っていることになります。

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