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2013年11月 9日 (土)

colony その2

さて、何度も書いているように、アートプログラム青梅の期間中、「なぜ吉川英治の記念館に、こんな訳の判らないものがあるのだ!」というお叱りを受けることがあります。

今回も、作間敏宏さんの「colony」という作品を見て、「気味が悪いし、オウム真理教を思い出させて不快だ」というご意見をいただきました。

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作間さんの作風もあり、「気味が悪い」と感じられる方がいるのはわかります。
しかし、「オウム真理教」とはどういうことなのか?

思い至ったのは、この部分。

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どことなく、一連の事件の犯人として指名手配された人物の手配写真を思い出させます。

しかし、これがそう見えたとしたら、それは由々しきことです。

左右の顔は一見、同一人物に見えますが、実はそうではありません。

この写真は日本人男性の顔写真を100枚重ねて合成したものです。
しかも、今回これが15点展示されていますが、それぞれ別の100人の顔を合成したものなのです。
つまり、別の100人でも合成すればほとんど同じ顔になる、ということなのです。

“平均顔”というやつがありますが、簡単に言えば、あれです。
作間さんのお話では、あれが世に出る5年ほど前に制作していた作品で、今回のインスタレーションの素材の一つとして再利用したということになるようですが。

日本人男性の“平均顔”が、オウム真理教の手配犯に見える。
それはとりもなおさず、日本人は誰でもああした犯罪を起こす可能性を秘めている、ということなのではないか。
高校の後輩が実際にその中の一人だった者としては、それは切実に感じることです。
いや、あの頃20代の若者だった者ならば、共有できる感覚なのではないかと思います。

もっとも、私が「オウム真理教」と聞いて、こんなことを感じたのは、展示作業中の作間さんとの雑談の中で、この写真が“平均顔”だと聞いていたからです。
その説明なしにこの顔写真を見た人には、同じ人の顔写真を15枚並べているだけにしか見えないでしょうし、それがオウム真理教の信者に見えてしまったら、不快に感じても仕方がないと思います。

その意味では、鑑賞者に何かを伝えるには、説明が不足しているのかもしれません。

総じて現代アート全てに言える事ですが。

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