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2018年4月20日 (金)

文学効能事典

以前から書店で目に入ってはいたもののスルーしていた本を買ってみました。
「文学効能事典 あなたの悩みに効く小説」(2017年6月30日 フィルムアート社)という本です。

スルーしていたのに購入したのは、著者が外国人と気付いたからです(エラ・バーサド/スーザン・エルダキン著 金原瑞人/石田文子訳)。
外国人が日本文学をどう見ているのか、その中で吉川英治をどう見ているのか、というのは、気になるところです。

まず、索引を見てみると、日本人の作品は9作品取り上げられています。

安部公房「砂の女」(広場恐怖症のとき)
遠藤周作「深い河」(悪夢を見るとき)
川端康成「名人」(80歳になったとき)「雪国」(漂泊の思いがやまないとき)
竹山道雄「ビルマの竪琴」(外国人嫌いのとき)
三島由紀夫「豊饒の海」(分厚い本を読む気がしない)
村上春樹「1Q84」(恋愛ができなくなったとき)「ねじまき鳥クロニクル」(無職のとき)
吉川英治「宮本武蔵」(暴力がこわいとき)

( )内が、作品が取り上げられている項目です。
このうち、「分厚い本を読む気がしない」だけは「読書の悩み」という、書中のところどころに差し挟まれているミニコーナーで、そこに「おすすめの大長編小説」として紹介されている7冊のうちの1冊が「豊饒の海」ということになっています。

さて、この9作品のうち、終戦以前の作品は川端康成と吉川英治の3作品のみ。
もちろん、外国語に翻訳されているかどうかということが大きなウェイトを占めますがが、戦前を代表する日本の文学を、川端康成と吉川英治に求める見方もある、ということになりますか。

また、2作品取り上げられているのが川端康成と村上春樹であるということは、著者たちにとっては、この2人が日本を代表する重要作家ということなのでしょう。

「暴力がこわいとき」の中でどのように「宮本武蔵」が取り上げられているかは、実際に読んでみてください。

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