2011年3月 8日 (火)

平成23年度吉川英治賞が決まりました

既に報道発表されていますが、本年度の吉川英治賞各賞が以下のように決まりました。

◎第45回吉川英治文学賞

森村誠一 『悪道』(2010年8月 講談社刊)

◎第32回吉川英治文学新人賞

辻村深月 『ツナグ』(2010年10月 新潮社刊)【「辻」は正しくはしんにょうの点が二つ】

◎第45回吉川英治文化賞

宇梶静江(「古布絵」の創作や絵本の出版を通し、失われ行くアイヌ文化の伝承に努めるほか、海外との文化交流にも尽力。)

木村若友(長年にわたり、浪曲師として活躍し、後進の指導と日本の伝統文化の継承に務める。)

具志堅隆松(沖縄において、開発・市街化が進み、時間との戦いの中で、遺骨収集を市民とともに続けている。)

斎藤晶(山地牧場で自然に順応した「蹄耕法」による大地に根ざした酪農を実践。また、広く市民に開放し交流の場として提供。)

笹本恒子(長年にわたり、女性報道写真家として“時代”を撮り続け、多くの貴重な作品を発表し、現在も精力的に活躍を続ける。)

皆さん、おめでとうございます。


なお、当館では毎年「吉川英治賞受賞作家を囲むひととき」というイベントを秋に開催しておりますが、今年は文学賞受賞の森村誠一さんを講師にお迎えする予定です。
詳細や応募方法は夏頃に発表いたしますので、しばらくお待ち下さい。
お楽しみに。

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2010年9月16日 (木)

塩屋賢一さん

塩屋賢一さんが去る12日にお亡くなりになっていたことを報道で知りました。

塩屋さんは、報道にもあるように、日本初の国産盲導犬の育成に成功し、以後、その普及に尽力されてきた方です。
その功績に対し、昭和57年、第16回吉川英治文化賞を差し上げています。

平成8年に当館主催で、吉川英治賞30周年の記念講演会を青梅市民会館で行った際、講師としてご講演いただきました。

その時に、お話しになったことで印象に残ったことは、「盲導犬と言うと、犬の方に視点がいってしまう。しかし、自分の仕事は、犬を育てる仕事なのではない。目が見えない方々が安全に外出できるよう手助けをする、自立のお手伝いをしているのだ」ということでした。

また、盲導犬を見かけた時に、「あら、お利口ねぇ」などと犬の方に声をかけるのではなく、その盲導犬を使っている目の不自由な方の方にこそ声をかけて欲しい、ともおっしゃっていました。

何年か前に盲導犬を取り上げた映画がヒットしました。
それによって盲導犬への理解が進んだ面はあると思いますが、同時に、ヒットしたこと自体には、登場する犬が可愛いという感情が影響した部分が大きかったでしょう。

塩屋さんにご講演いただいたのは、それよりも前の話ですが、犬が可愛い、という気持ちではなく、目が不自由な方への思いやりを持って欲しいということを、塩屋さんは訴えておられたわけです。

言葉として普及しているとは言い難い面がありますが、塩屋さんの主宰する団体が東京盲導犬協会から≪アイメイト協会≫に改称したのも、上記のような考え方に立ち、盲導犬という犬ではなく、アイメイト=目の仲間なんだという思いがあったからでしょう。

ご冥福をお祈り申し上げます。

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2010年5月30日 (日)

飯田訪問――その2

せっかく飯田を訪ねたので、りんご並木を見に行きました。

飯田市は、昭和22年の大火で町の多くを焼失しました。
そこからの復興の際に、そのシンボルとなったのがりんご並木です。

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案内板にもあるように、そのりんご並木の手入れを長年続けてきたのが飯田東中学校です。
実は、そのことに対し吉川英治文化賞を差し上げています(昭和59年度 第18回)。

これがそのりんご並木です。

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りんご並木の合間には、岸田国士や飯田出身の日夏耿之介の碑があります。

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そのまま歩いて飯田東中学校の様子を見に行こうと思っていたのですが、川本喜八郎人形美術館で、つい長話をしてしまったため時間がなくなってしまい、そこまで足を運べませんでした。

残念。

ちなみに、こちらもご参照を。

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2009年3月18日 (水)

訃報・須知徳平氏

作家の須知徳平氏がお亡くなりになりました。

そのことについて、数件、マスメディアからの問い合わせがありました。

須知徳平氏は第1回吉川英治賞受賞者で間違いないか?

という問い合わせです。

マスメディアの方が疑問に思われるのも無理はありません。

実は、吉川英治賞は、二つあるのです。

昭和37年1月、毎日新聞社から吉川英治の「私本太平記」に対し、毎日芸術大賞が贈られます。
その際、毎日新聞社から、その賞金100万円を基金として、新人作家育成のための≪吉川英治賞≫を創設したい、との申し入れがあり、吉川英治はそれを了承します。
毎日新聞社は、直ちにこれを発表し、原稿を募集します。
しかし、吉川英治は、賞の結果発表を待たずに同年9月7日に死去。
そして、翌38年1月に、第1回吉川英治賞が決まります。

それが須知徳平氏の「春来る鬼」でした。

その後、昭和40年に講談社を中心として財団法人吉川英治国民文化振興会が設立され、毎日新聞社に対し、≪吉川英治賞≫の譲渡を申し入れます。
≪吉川英治賞≫をより大きく発展させたいとする振興会側の意志を受け、その意義を認めた毎日新聞社が賞と基金を振興会へ引き継ぐことを承認します。

かくして昭和41年に≪吉川英治賞≫は振興会に移管され、翌42年、新たに≪吉川英治文学賞≫≪吉川英治文化賞≫の二賞として再スタートします。

この新生≪吉川英治文学賞≫の第1回受賞者は、松本清張氏でした(「昭和史発掘」「花氷」「逃亡」ならびに幅広い作家活動に対して)。

もう40年以上前のことでもあり、こうした経緯があったことが忘れられてしまい、マスメディアの方々も混乱されたのでしょう。

まぎれもなく、須知徳平氏は記念すべき≪吉川英治賞≫の最初の受賞者なのです。

ご冥福をお祈りいたします。

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2009年3月 6日 (金)

吉川英治賞発表

一昨日、本年度の吉川英治賞が発表されました。

昨日の新聞には既に記事になっているので、出遅れてしまいましたが、ご紹介しておきます。

◎第43回吉川英治文学賞

・奥田英朗 『オリンピックの身代金』(角川書店刊)

◎第30回吉川英治文学新人賞

・朝倉かすみ 『田村はまだか』(光文社刊)

・柳広司 『ジョーカー・ゲーム』(角川書店刊)

◎第43回吉川英治文化賞

・垣見一雅=ネパールに居住し、住民から寄せられる様々な問題と向き合い、生活の自立を支援。

・田村恒夫=阿波木偶の伝統技法を伝承発展させ「阿波木偶制作保存会」を設立し、後進の指導にあたる。

・中野主一=長年にわたり観測者から寄せられる新天体の軌道計算を続け、国内における新天体発見へ貢献。

・長尾 直太郎=75年にわたり我が国の貴重な文化である浮世絵版画の制作に打ち込み、後継者の育成にも尽力。

以上の合計7人の方々です。
おめでとうございます。

来月10日には贈呈式と祝賀パーティがありますので、その後で、また詳しくご紹介したいと思います。

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2009年1月10日 (土)

近藤亨さん

吉川英治文化賞と言えば、昨夜、テレビ東京の番組で取り上げられていた近藤亨さんも受賞者のお一人です。
昨日の牟田さんの前年、平成11年に受賞なさっています。

番組の中でも紹介されていた通り、私財をなげうって、ネパールの秘境ムスタンでの農業指導と住民の生活改善に尽力されています。
受賞後に当館にもご来訪いただいたので、お目にかかったことがあります。
年齢を感じさせないエネルギッシュな方でした。

それにしても、思い違いでなければ、ここ1年の間に近藤さんを取り上げたテレビ番組を3回ほど見ました。
活動が人に知られることは、支援者、協力者を新たに得ることに利するところが大きいでしょうから、悪いことではないと思いますが、何となく企画的には安直な気もしてしまいますね。
もちろんまじめに番組を作っているのでしょうが。

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2009年1月 9日 (金)

牟田悌三さん

今日、ある新聞社から吉川英治文化賞についての問い合わせ電話がありました。
「吉川英治文化賞についての問い合わせはこちらでいいのですか?」とのことでしたので、担当部署である財団の事務局へ電話をかけ直していただきました。

賞の発表時期でもないのに何故、と思ったら、牟田悌三さんが亡くなられたんですね。

牟田さんは、昭和40年生まれの私などには≪ケンちゃん≫シリーズのお父さん役というイメージのある俳優ですが、実は、平成12年に≪牟田悌三氏と世田谷ボランティア協会≫の名義で、第34回吉川英治文化賞を受賞なさっています。

ご自分のお子さんの通う学校のPTA会長を引受けたことがきっかけでボランティア活動に取り組み始めたのだとか。
活動は多方面にわたりますが、特に子供を取り巻く問題についての取り組みが評価されているようです。

ご冥福をお祈りいたします。

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2008年11月11日 (火)

演歌

本年度吉川英治文化賞受賞者のお一人が嶽釜徹さんです。

この嶽釜さんについてのこんな記事がありました。

よく、中南米移民の方々の方が、現代の日本人よりもより≪日本人らしさ≫を残している、というようなことが言われますが、その意味では、演歌的な心情、風景というのは、今の日本よりは各地の移民の方々の方が、よりしっくり来るかもしれません。

ちょっと面白い記事だったのでご紹介してみました。

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2008年9月14日 (日)

不耕起農法

そうそう、英治忌前のバタバタしている時に気がついたのでそのままにしていましたが、テレビということで言えば、本年度吉川英治文化賞受賞者の岩澤信夫さんが、現在NHK教育テレビで取り上げられています。

岩澤さんは、稲の苗を葉が5枚以上になるまで育てた「成苗」にしてから、耕さない硬い水田に植える「不耕起農法」の実践と普及を行っている方です。

その岩澤さんが、NHK教育テレビの『知るを楽しむ』という番組で、今月から来月にかけて4回にわたって登場します。

放送スケジュールはこちら

第1回を見逃した方もまだこれから再放送で見られるようですよ。
テキストも販売されているようです。

≪農≫に興味のある方は、ぜひ。

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2008年9月13日 (土)

盲導犬

先日来、「日本初の盲導犬誕生物語~ありがとうチャンピィ」というドラマの予告を目にしていましたが、本日フジテレビ系列で放送されるようです。

ドラマのモデルになっているのは、タイトル通り、日本で初めて盲導犬を育成した塩屋賢一さん。
その功績により、昭和57年に第16回吉川英治文化賞を受賞なさっています。

何度か講演をお願いしたことがあり、お目にかかったこともあるのですが、その際の印象ではとても物静かな方でした。
その塩屋さんを演じるのが高嶋政伸さんですか。
うーん、私の印象には合わないのですが(苦笑)

そういえば、先日、ゴルフの上田桃子選手が、バーディをとるたびに日本盲導犬協会に寄付をするというチャリティ活動を行うことを発表した席で、犬が暴れて上田選手が爪をはがしてしまうというアクシデントがありました。
訓練はしたものの盲導犬として視覚障害者に提供するには安定性を欠く犬を、デモンストレーション用に使っていたことが原因だったようです。

塩屋さんに講演をお願いした時も、講演会場でデモンストレーションを行ったのは、そういう犬でした。
私の目には、実によく訓練されていて、よく役割を果たしているように見えましたが、専門家から見ると、周りに気をとられやすいところがあるのだとか。
ちょっと言い方は悪いですが≪欠格犬≫でこれほどのことができるのなら、実際に提供される盲導犬はどれほど優秀なのかと思ったものです。

優秀な犬は全て視覚障害者に提供し、デモンストレーションには提供できない犬を用いるということなのでしょう。
上田選手のアクシデントが盲導犬への誤解を招かなければいいのですが。

ちなみに塩屋さんが設立したのは、アイメイト協会という組織で、こちらでは≪盲導犬≫という言葉を避けて、≪アイメイト≫という呼び方をしています。

サイトはこちら(音が出ます)

関心のある方がアクセスしてみて下さい。

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